デジタル大辞泉 「白」の意味・読み・例文・類語

はく【白】[漢字項目]

[音]ハク(漢) ビャク(呉) [訓]しろ しら しろい もうす
学習漢字]1年
〈ハク〉
しろ。しろい。「白亜白衣白煙白髪紅白純白精白蒼白そうはく漂白卵白
色・印・汚れなどがついていない。「白紙白票白文空白潔白余白
明るくはっきりしている。「白昼白日明白
ありのままに言う。申し上げる。「白状科白かはく関白敬白建白告白自白独白
さかずき。「挙白大白
白居易。「白詩/元白」
(文字分析から)九九歳。「白寿
〈ビャク〉しろ。しろい。「白衣びゃくえ白檀びゃくだん白虎びゃっこ黒白
〈しろ(じろ)〉「白黒白目色白
〈しら〉「白壁白波
[名のり]あき・あきら・きよ・きよし・し・しろし
[難読]白馬あおうま白朮祭おけらまつり白粉おしろい飛白かすり白湯さゆ白鑞しろめ科白せりふ白膠木ぬるで白乾児バイカル白板パイパン白熊はぐま白耳義ベルギー

しろ【白】

雪のような色。物がすべての光線を一様に反射することによって、目に感じられる色。「ワイシャツ
碁石の白いほうの石。また、白い石を持つほう。⇔
紅白試合などで、白い色をしるしにするほうの側。「赤勝て、勝て」
何も書き入れてないこと。また、そこに何も印刷してないこと。空白。「答案用紙はまだだ」
犯罪の事実がないものと認められること。また、その人。潔白。無罪。「筆跡鑑定からと出た」⇔
ブタの腸管を串ざしにしたもので焼き鳥の一種。
[類語](1白色はくしょく白妙しろたえ純白雪白せっぱく雪色せっしょく乳色ちちいろ乳白色にゅうはくしょくミルク色灰白色かいはくしょく象牙色ぞうげいろホワイトオフホワイトアイボリー真っ白

しら【白】

[名]
他の語の上に付いて複合語をつくる。
㋐白色である意を表す。「雲」「菊」
㋑色や味などを加えていない、生地のままである意を表す。「木」「焼き」
㋒純粋である意を表す。「真剣」
㋓うまくごまかしたり、とぼけたりする意を表す。「とぼけ」
知らないこと。無関係であること。「を言う」
善良を装っている無頼の徒。
「折から向ふへ万八が、―ども引き連れ走り寄る」〈浄・河原達引
[名・形動ナリ]
作り飾らないこと。また、そのさま。
「はたらきのねえ生まれつきで、三文の工面もむづかしうござりやすと、―でいふ方がいい」〈洒・二筋道
まじめで正直なこと。また、その人やそのさま。
「―な事をいうて悦ばす仕掛けを工夫せらるべし」〈浮・禁短気・五〉

はく【白】

白いこと。白いもの。しろ。
「やみの中にぽっと―のひなげしが浮き出たような」〈長与竹沢先生と云ふ人
ボラの幼魚。
白人はくじん2」の略。
「光り輝く―や芸子に」〈浄・忠臣蔵

びゃく【白】[漢字項目]

はく

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精選版 日本国語大辞典 「白」の意味・読み・例文・類語

しろ【白】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 色の名。雪、塩などの色。あらゆる波長にわたる可視光線を一様に反射する物体を見て感じられる色。明るくて特別の色がないと感じられる状態。黒に対する。「白酒」「白星」「白靴」などと熟しても用いられる。→白い
    1. [初出の実例]「つぎねふ 山城女の 木鍬持ち 打ちし大根 根白の 斯漏(シロ)ただむき 枕かずけばこそ 知らずとも言はめ」(出典:古事記(712)下・歌謡)
  3. 白い碁石。白石。また、その石を持つ対局者。
    1. [初出の実例]「我等、年来、碁を打より外の他の事无し。但し、黒勝つ時には我が身の煩悩増り、白勝つ時には我が心の菩提増り」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
  4. 何も書き入れてないこと。
    1. [初出の実例]「白の卒都婆(そとば)と硯箱と持て来て」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)二幕)
  5. しろがね(銀)」の略。
    1. [初出の実例]「銀(シロ)の煙管を、ヤニサにかまへて」(出典:洒落本・廓宇久為寿(1818)後)
  6. 私娼をいう。はくじん。
  7. うなぎの一種。背色の少し白っぽいものをいう。うなぎ食いの通(つう)のことば。
    1. [初出の実例]「『青か白か』『やっぱりすぢを、長がやぎの事さ』〈あを、白、すじ、みなうなぎの名なり〈略〉〉」(出典:洒落本・通言総籬(1787)一)
  8. 赤組に対する白組の称。
  9. 犯罪容疑がないこと。また、晴れること。無罪。潔白。⇔
    1. [初出の実例]「もし万一平沢が〝白〟であるならば」(出典:未完の告白(1948)〈川本不二雄〉九十六枚目の名刺)
  10. 塩の異称。
    1. [初出の実例]「塩釜の白を碁盤の地へ移し」(出典:雑俳・狂句合‐弘化二(1845)佃)
  11. しろしょいん(白書院)」の略。
    1. [初出の実例]「碁盤からまろふ人御間も白と黒」(出典:雑俳・柳多留‐一〇二(1828))
  12. 南鐐(なんりょう)の銀貨のこと。〔滑稽本・小野譃字尽(1806)〕
  13. もつ焼きの一種。豚の腸を串刺しにして焼いたもの。

白の語誌

上代から、そのまま形容詞として用いられるほか、複合語を作るときはシラタマ(白玉)、シラナミ(白波)、シラユキ(白雪)のように、母音交替したシラの形をも取る。


しら【白】

  1. ( 「しろ(白)」の変化したもの。一説に古形ともいう )
  2. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 名詞の上について熟語をつくる。
    1. 白色であることを表わす。「しら梅」「しら雲」など。
    2. 染めたり塗ったり味をつけたりなどしない、生地(きじ)のままであることを表わす。「しら木」「しら焼き」など。
    3. 純粋であることを表わす。「しら几帳面」「しら真剣」など。
    4. うまく、または、とぼけていつわることを表わす。「しらとぼけ」「しら似せ」「しら化け」など。
    5. 特別の身分や職業、状態のものでないことを表わす。「しら大衆」「しら店(だな)」「しら人(びと)」「しらふ」など。
  3. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 形動 ) つくり飾らないこと。よそおったところがないこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「しらのやきとは、たとへば我身にちがひなどあるとき、そのおりのしゅびをすこしもかくさず、いちいちにあざりていふ類也」(出典:評判記・難波物語(1655))
    2. ( 形動 ) まじめなことや正直なこと。まっとうなこと。また、その人や、そのさま。〔評判記色道大鏡(1678)〕
      1. [初出の実例]「此方(こっち)はしらの職人だ」(出典:歌舞伎・独道中五十三駅(1827)五幕)
    3. 特別でない通常のもの。特別の身分や職業でないもの。
      1. [初出の実例]「『悪所場の駕籠でござりますぞえ』『白(シラ)辻駕籠とは値段が大層』」(出典:歌舞伎・初冠曾我皐月富士根(1825)四立)
    4. じら

はく【白】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. しろいこと。しろ。
      1. [初出の実例]「切花には勿体無いやうな大輪の白(ハク)の毬咲の菊が」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)
    2. はくじん(白人)」の略。
      1. [初出の実例]「それにはあらぬはくのふう」(出典:浄瑠璃・卯月の紅葉(1706頃)上)
    3. 白い飯をいう。
    4. (ぼら)の幼魚をいう。〔随筆・年々随筆(1801‐05)〕
    5. せりふ(台詞)」のこと。「科白」「白」の字を当てることからいう。
      1. [初出の実例]「李の唱ふ曲やその間へはいる白(ハク)につれて、いろいろ所作をするやうになると」(出典:仙人(1915)〈芥川龍之介〉上)
  2. [ 2 ] 盛唐の詩人、李白(りはく)をさしていう。
    1. [初出の実例]「尤も『白(ハク)猶与飲徒酔於市』こんな事が書いてある」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二)

びゃく【白】

  1. 〘 名詞 〙 しろ。はく。
    1. [初出の実例]「青(せう)(わう)(しゃく)(ビャク)(こく)、五色(ごしき)」(出典:狂言記・富士松(1660))

しらけ【白】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しらける(白)」の連用形名詞化 ) 興ざめなこと。また、何事にも無関心な様子。
    1. [初出の実例]「一瞬シラケの気分だよ。ひょっとしたら、嵐のまへのしづかさといふことかな」(出典:狂風記(1971‐80)〈石川淳〉五一)

ペー【白】

  1. 〘 名詞 〙 ( 中国語から )[ 異表記 ] ペイ ヘロイン。また、麻薬の総称。
    1. [初出の実例]「しょっちゅうペイをいじっていれば、どうしても埃を吸うから」(出典:追われる女(1953‐54)〈平林たい子〉笑う肉体)

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改訂新版 世界大百科事典 「白」の意味・わかりやすい解説

白 (しろ)

色名の一つ。日本工業規格(JIS)では,10種の有彩色,5種の無彩色の計15色名を基本色名として定めているが,白は無彩色の基本色名の一つである。無彩色だから明度(色の3属性の一つで,色の明るさを表す)によって規定され,白は明度10である。一般に光は,各波長に対する放射エネルギーの分布で種別されるが,白色光はどの波長に対しても放射エネルギーが等しい光で,天然には太陽光がほぼ白色光に相当する。

白は闇に対する光,暗に対する明の色であり,黒の反対色である。しかし色のない色と解することによって,しばしば黒と同じ意味が与えられる。《説文解字(せつもんかいじ)》は白を西方の色とするがこれを東方の色とする民族も多い。一日の終わったあとの西空は白く,一日の始まる暁の東空は白い。白は一日の死と再生を表す色である。白は生命の色であるがまた喪色として使われることも多く,屍衣は一般に白色であり,また亡霊の衣も白である。他方白は無染の色であり,純潔を象徴し,結婚の衣装の色として用いられることが多い。また光明の色として聖なる者と結びつく。キリスト教では,〈キリストの変容〉に際してその衣は白く輝いたといわれるが(《マルコによる福音書》9:3ほか),《ヨハネ黙示録》にしばしば記されている神の姿は,その頭と髪の毛は白い羊毛に似て雪のように白く(1:14),ときには白雲に(14:14),白い玉座に(20:11),あるいは白馬に(19:11)乗った姿である。神の使者あるいは侍者である天使も通常白い衣をまとい,義人聖人もまた同じである。また神官も洋の東西を問わず多くは白衣である。大プリニウスは《博物誌》で,ケルトの祭司は白い衣をまとい白牛を犠牲にすると述べているが(16章,24章),白い鳥獣がしばしば聖なるものとされることは,白馬,白鳥(インドのハンサHansa),白蛇などで知られる。古代の上エジプトでは白禿鷹ネクベトが国王守護の役を担ったし,他方白の牝カバも礼拝された。中国では白虎(びやつこ)は四神の一として西方を守る聖獣とされた(《淮南子(えなんじ)》天文訓)。色彩象徴が複雑化したインドでは,白はときに応じてブラフマー神,シバ神の身色として用いられ,また仏教では,毘盧遮那仏(びるしやなぶつ)(大日如来)の身色は白とされ(とくに金剛界法),また白色の身光が多く用いられる。金剛界曼荼羅に見られる白円輪は〈月輪〉と称されるが,一般に尊像の身色や身光の白は,光明を表すものとして,むしろ太陽につながるものと思われる。
執筆者:

とくに日本人の場合には,昔から〈白い色〉に格別の意味をもたせる扱い方に執してきたと言えそうである。古代の民族信仰にあっては〈白〉は清浄・神聖の色とされたし,中国の制度文物を徹底的に模倣学習した律令国家体制確立時代にあっては〈白〉は動物と結びついて祥瑞を示す色とされ,平安王朝文学の世界にあっては〈白〉は梅花や衣服と結びついて優美さや上品さを表現する色とされ,さらに中世美学の世界にあっては〈白〉は余情幽玄や寂寥感を漂わせる色とされた。そこで,論者によっては,白こそ〈日本の色〉であると主張する人もいる。

 色名としてのシロについては,事物がはっきり見える意の〈しる(著,徴,験,顕)し〉と同語源とするのが,今日最も有力で,国語学者たちの定説にもなっている。いったい,古代日本語の色名のうち,本来的な色名はアカ(明ける意),クロ(暮れる意),シロ,アヲ(生ふ,あふぐから転じ,明るさのうすい漠たる感じをいう)の4種に限られ,あとの色名は植物染料の名か鉱物性顔料の名かに由来する。この定説を踏まえて考えるのに,シロは,あかい曙(あけぼの)の色が夜の明けるにつれてしだいに〈しろく〉なり,森羅万象が〈しるく〉識別されるようになり,事理を〈しる〉(知識)ことが可能になるまでの思考作用を包摂している。そうだとすれば,白の色が古代日本人の世界観もしくは形而上学と密接なかかわりをもっていたと想像しても,それほど見当違いにはならないだろう。古代人が,白い色に,超自然的な物事の道理や,人間以上の神秘な霊力を見いだし,これを呪術や宗教儀礼に不可分のものと考えたのは,むしろ当然だったといえる。《古事記》をみると,足柄の坂神が白鹿になったり,伊服岐(いぶき)の山神が白猪になったり,倭建(やまとたける)命が白智鳥(しろちどり)になったりする記事に出会うが,似たような記載は《日本書紀》や《風土記》にも幾つか見られる。

 しかし,古代日本人ならばだれしもおのずから白い色に神秘的な霊力を感じ取る心性を開発していたかと問えば,必ずしもそうとばかりは答えられない。というのは,記紀神話全体を検証すればわかるとおり,日本列島には早くから中国の陰陽五行思想が渡来し浸透していて,信仰形態から生活民俗に及ぶまで,一貫した思考的規準をなしていたからである。いま,シロのみに限定して考えると,五行の4番目に配当された金気は,色を白とし,方位を西とし,季節を秋とし,十二支では申・酉・戌の三支(万物が成熟して滅びに向かう象意)をあらわし,十干では庚・辛(草木が成熟して枯死し再新しようとする象意)をあらわしている。陰陽五行哲学の〈時間循環原理〉に従えば,ものごとが最高頂点に達し,滅び,さらに再誕生を準備する段階が〈金・白・西・秋〉だということになる。死者の霊魂は白くなければならないし,西に向かって飛び,やがて蘇生するものでなければならない。この陰陽五行思想が古代日本人の〈民族心性〉に結びついたと考えてもよいし,あるいは,陰陽五行思想のバリエーションの一つとして日本神話や民間信仰が発生したと考えてもよいが,どちらにしても,両者をまったく無関係のものと見ることはできない。ことに律令国家建設以後にあっては,為政者側で〈祥瑞〉の発見および報告を奨励するようになったから,この結びつきの補強に役だった。孝徳天皇白雉(はくち)元年(650)に穴戸(あなと)(長門)の国司が白雉(しろきぎす)を献上したとき,百済君(くだらのきみ)に質問したり《芸文類聚》登載記事を調べたりして,白鹿や白雀が出現したのは祥瑞だという結論を出し,寿詞(よごと)に〈陛下(きみ),清平(しずか)なる徳(いきおい)を以(も)て天下(あめのした)を治(しら)すが故に,爰(ここ)に白雉(しらききぎす),西の方より出づること有り〉うんぬんと唱えしめている。白雉改元の理由である。さらに天武天皇12年(683)正月の詔勅では〈伝(つて)に聞くならく,其(か)の天瑞(あまつみつ)は,政(まつりごと)を行ふ理(ことわり),天道(あめのみち)に協(かな)ふときには,応(こた)ふ〉と公示し,祥瑞の発見を促している。爾来,白鴈,白鷹,白烏,白燕,白雀,白鳩,白鵄,白鴟などが献上されるに至る。白亀,白鹿,白狐,白鼠なども献上され,かなり政治的に利用されるが,この段階では〈白い色〉に対する日本人の好みはもはや動かしがたいものになってしまっていた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白」の意味・わかりやすい解説


しろ

光の各波長を一様に多く反射する対象物は、白いと感じる。無彩色で8.5以上の明度をもっているものが、ほぼ白とよばれている。白は、自然な、明るい、軽快な、あっさりした、静的な、美しい、澄んだ、単純な、上品な、といった印象を人々に与える。そして、白から連想される具体物としては、壁、チョーク、白衣、病院、歯などがある。

 白によって象徴されるのは、清潔さ、純潔、新しい、冷たい、真理、永遠などである。白は色味をもたず、澄んでいるため、交じりけのないという感じを人に与えるので、このような連想、象徴を生じさせるものと思われる。また、白は汚れを目だたせることもあり、白衣、衛生陶器、冷蔵庫などによく用いられている。最近の冷蔵庫は、外側は有彩色を用いるものもかなりあるが、内側はいずれも白である。これは、食料を入れておくところが清潔であることが望まれていることとも関係があろう。さらに、白は光を多く反射するため、照明効率がよいといえよう。したがって冷蔵庫内も照明のことからいえば白がよいものと思われる。天井などを白で塗るのも、ある程度、照明のことを念頭に入れているのであろう。ただ、白は冷たい印象を人に与えることがあり、柔らかい印象が得にくい。したがって壁などすべて白にすると、冷たいという感じを強くもつ。病院がなんとなく冷たいという感じをもつのは、壁が白かったり、白衣が多く目に入ったりして、いかにも白が多いということから生じてくるのである。このため最近では、柔らかい感じを出し、安心感を与えるような意向のもとに病院などの色彩が考えられるようになってきている。一般的にいって、白は好まれる傾向が強いが、大面積の場合には、そのまま通用するかどうかは疑問である。

[相馬一郎]

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色名がわかる辞典 「白」の解説

しろ【白】

色名の一つ。JISの色彩規格では、そのまま「白」としている。一般に「雪のように白い」という表現をするが、あくまでも白に近い色であって雪は純粋な「白」ではない。白は人間の目に見える光のすべてを反射する物体から感じる色という概念だが、実際にそのような物体は存在しないとされる。したがって、色名としての白は他の色の概念で例えようがなく、白は白となってしまう。白系統の総称としての意味合いが強い。また、白は無彩色であり、の対語。この白と黒はもっとも古く発生した色名の概念とされる。中国から伝えられた五行説では「木火土金水」の「金」に相当し、季節では秋を表す。秋の異称を白秋という。また心が自然のままで清いこと、汚れのないさまを清廉潔白というように、無垢のイメージが強い。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「白」の解説

白 (ハク)

動物。ボラ科の魚。ボラの別称

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【銅合金】より

…一般に淡黄色をしているが,放置すると青さびを帯びる。青銅の配合比は一定でないが,神亀4年(727)銘の興福寺観禅院鐘の合金比は,銘文によると〈銅四千斤,白二百六十斤〉とあり,白(びやくろう)をスズとみると,銅93.9%,スズ6.1%の配合率になる。東大寺大仏鐘の場合は《東大寺要録》によると〈熟銅五万二千六百八十斤,白二千三百斤〉とあり,銅95.8%,白4.2%になる。…

【色】より

…動物の場合は色を見ることのできる目をもつものは少ないといわれる。身近なものでネコやイヌやウシなど,白黒の世界に生きている。色覚色彩調節
〔色の科学〕
人間は幸いにして色を見ることができるので,色から得ている恩恵は非常に大きい。…

【銀】より

…フランス語のargentはラテン語から,英語(ドイツ語)のsilver(Silber)はアッカド語の銀sarpuからきたといわれる。日本では古く白金(しろがね)と呼んで五色の金(かね)の一つであった。
[性質]
 面心立方格子の等軸晶系で,格子定数は4.086Å。…

【黒】より

…玄武は黒帝ともいう。一般に黒は白の対色である場合と白黒未分の原初の状態の色を指す場合とを分けて考える必要がある。後者はすべての創造の根源の色であり(これを白とすることもある),その意味でインドのビシュヌ神(創造の根源的エネルギーの化身),エジプトからギリシア,中世に至る母神(イシス,キュベレ,〈黒い聖母〉など),ヒンドゥー教のカーリー神,イスラムの聖地メッカの神殿カーバ(および,そこにはめこまれた〈聖なる黒石〉)などの黒色が理解される。…

【化粧】より


[色彩の象徴性]
 先史時代には約20種の顔料があったことがわかっているが,これらは現存の未開社会の化粧用顔料と正確に対応している。未開社会における色彩への嗜好を見ると,赤,白,黒の3色を圧倒的に好み,ついで植物性の青,緑が続く。各民族とも色ごとに象徴的な意味をもたせてある。…

【身体装飾】より

… ボディ・ペインティングは最も手軽な身体装飾として熱帯地方の原住民をはじめとして広く行われている。鉱物性や植物性の顔料(白土,黄土,赤土,墨,植物の色汁など)を,獣脂で練ったりして用いる。全身あるいは身体の一部に彩色するが,顔面(とくにほお),胸,胴体部などが多い。…

【染色】より

…それとともにその染色技術も大いに発展し,とくに第2次大戦以後合成繊維の発明とともに分散染料,カチオン染料,反応染料などによる新規な染色技術が開発され,現代の人類の豊富な衣服生活が展開されることになった。
【染色の技術】

[染色の準備工程]
 天然繊維はそれぞれ天然の不純物を含み,再生・半合成・合成繊維は紡績,織布などの工程で油脂類,のり(糊)類,帯電防止剤等を含むので,染色の際妨げとなるこれらの不純物を取り除くため,のり抜き,精練,さらに必要に応じ漂白を行う。精練は繊維の種類によりアルカリ性無機試薬,界面活性剤,有機溶媒が適宜使用される。…

※「白」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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