上下とも白い着物。吉凶に用いる式服を着た姿を白装束という。もとは吉事にも凶事にも白が女の正装の色であり、今日でも婚礼に白無垢を着ることがある。本来は神祭りなど神聖な機会に着用する忌衣(いみごろも)で、厳重な物忌みを経て心身ともに清浄であることを示した。白衣を尊重するのは、何事にも淡泊・潔白を好む日本人の国民性に基づくものであろうが、また染料の発達しない時代の慣習が、神祭りの機会などに温存されてきたとみることもできよう。シロは白色ばかりでなく素(しろ)を示す語である。神祭りは晴れ着を着る機会であるから、のちには白衣を晴れ着とし、赤子の産着(うぶぎ)、婚礼の花嫁、葬儀の死者や近親者の服装となった。さらに近世に吉と凶とを厳しく区別するようになると、白い喪服であるのに、色着(いろぎ)・色裃(いろかみしも)などの反語を使い、また喪服は一様に黒いものに統一されてきた。
[井之口章次]
…ことに江戸時代初期のころは,はっきり区別され,支配者である武士社会の内部でも将軍,大名から下士,若党にいたるまで数多くの段階にわかれ,町人社会も大店(おおだな)の主人と番頭と手代,職人は棟梁(とうりよう)と弟子,農民は地主と自作と小作など,それぞれ服装に相違があった。たとえば白無垢(しろむく)の肌着は四位以上,それも大名は嫡男とかぎられ,熨斗目(のしめ)(腰に横縞または縦横縞のあるもの)は身分ある武士の式服であり,綸子(りんず)は一般武士には許されないなどである。地質(じしつ)の順位は綸子,羽二重(はぶたえ),竜文絹,二子(ふたこ)絹,紬(つむぎ)の順で,以下,麻および木綿となる。…
※「白無垢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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