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百万塔陀羅尼 ひゃくまんとうだらに

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大辞林 第三版の解説

ひゃくまんとうだらに【百万塔陀羅尼】

百万塔におさめられた陀羅尼。無垢浄光大陀羅尼経の相輪・自心・根本・六度の四種の陀羅尼を銅版または木版で印刷したものがほとんどで、現存する世界最古の印刷物といわれる。

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百科事典マイペディアの解説

百万塔陀羅尼【ひゃくまんとうだらに】

764年恵美押勝(えみのおしかつ)の乱が平定されたとき,称徳天皇が100万の三重小塔を作りその内部に納めた陀羅尼サンスクリットによる呪言(じゅごん))。塔は木造,高さは標準的なもので約21.4cmで,770年完成。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

百万塔陀羅尼
ひゃくまんとうだらに

称徳(しょうとく)女帝(在位764~770)の発願で、奈良諸大寺に納められた三重小塔百万基の小木塔に収納した陀羅尼(経文)。世界最古の印刷物として有名である。765年(天平神護1)より770年(神護景雲4)まで数年をかけて完成した。露盤の内部に陀羅尼一巻を納めたもの。陀羅尼は唐の弥陀山(みだせん)訳『無垢浄光(むくじょうこう)大陀羅尼経』に説く(1)根本陀羅尼、(2)相輪((とう))陀羅尼、(3)修造仏塔陀羅尼、(4)自心印(じしんいん)陀羅尼、(5)大呪王(だいしゅおう)陀羅尼、(6)六度(ろくど)陀羅尼の6種のうち(1)(2)(4)(6)が印刷された。現在、法隆寺に三重の小塔100基、七重の一万節塔と十三重の十万節塔それぞれ1基、塔内納入の陀羅尼270巻がある。これによると、現存する4種の陀羅尼は版が二つあり、料紙は麻紙、黄麻(こうま)紙、穀(かじ)紙の3種、紙の大きさは幅5.4センチメートル、長さは根本陀羅尼で51.8センチメートル、六度陀羅尼で27.2センチメートルある。巻物仕立てで、一、二、三、四の数字を印刷した帙(ちつ)紙で包み、陀羅尼の種類を区別してある。[宮坂宥勝]
『宮坂宥勝著『インド古典論 上』(1983・筑摩書房)』

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世界大百科事典内の百万塔陀羅尼の言及

【印刷】より

…こうした印刷術の登場が唐代のいつごろかということは明確でない。しかし印刷物の最古のものとして日本に残る〈百万塔陀羅尼(だらに)〉と呼ばれるものがある。陀羅尼は梵語dhāraṇīの音訳で,仏教経典の呪文を意味する。…

【版画】より


[台材からみた版画]
 図がその上に刷られるもの(これを台材と呼ぶ)は,ふつうは紙であるから,紙の製造と版画(広義では印刷)とは切り離せない関係にある。紙はおそくとも2世紀初頭までには中国で麻や樹皮などの繊維を加工してつくられていたが,現存する最古の印刷物はこれまで日本で770年につくられた《百万塔陀羅尼(ひやくまんとうだらに)》(百万塔)であるとされてきた。しかし近年,朝鮮の慶州仏国寺石塔で発見された《陀羅尼経》全文は751年まで制作年代がさかのぼる可能性をもつ。…

【版本】より

…今のところこれよりも古い年代をもつ中国の木版印刷物は発見されていないが,おそらく玄宗時代(8世紀前半)にはかなりの発達を遂げていたにちがいない。なぜなら唐の文化の影響下にあった日本では,玄宗を去ること遠くない770年(宝亀1)に《百万塔陀羅尼》の印刷を行っており,また1966年に発見された韓国仏国寺の《無垢浄光大陀羅尼経》は8世紀前半のものと推定されるからである。 同じく中国で完成した製紙術は,8世紀にサマルカンドに伝わり,12世紀の初めにはモロッコからスペインに渡り,1189年にはピレネー山脈を越えてフランスにもキリスト教国として最初の製紙場設立をみ,一方,ダマスクスですかれる紙はコンスタンティノープル(イスタンブール)を経て盛んにヨーロッパへ輸出されていたが,中国の木版印刷は,13世紀にモンゴル族が中国とヨーロッパの交渉を頻繁にするまで,ふしぎにもヨーロッパへ紹介されずにすぎた。…

【百万塔】より

…これらの小塔は鎮護国家の目的で大安寺,元興寺,興福寺,薬師寺,東大寺,西大寺,法隆寺,弘福寺(川原寺),四天王寺,崇福寺の十大寺に分置されたが,現存するのは法隆寺の4万数千基のみである。【森 郁夫】
[百万塔陀羅尼]
 法隆寺に蔵されるものについて検するに,陀羅尼は,則天武后の時代に中国へ来たトハラの人,沙門弥陀山が漢訳した《無垢浄光大陀羅尼経》に説く6種の陀羅尼のうち,根本(40行),相輪(23行),自心印(31行),六度(15行)の4種を選んで印行したもの。大きさは縦5cm内外,横は陀羅尼によって不同であるが,15~50cmくらい。…

※「百万塔陀羅尼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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