皇別(読み)コウベツ

デジタル大辞泉 「皇別」の意味・読み・例文・類語

こう‐べつ〔クワウ‐〕【皇別】

新撰姓氏録しんせんしょうじろく」にみられる氏族分類の一。皇族祖先とする氏族。たちばな氏・氏・氏などの類。→諸蕃しょばん神別しんべつ

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精選版 日本国語大辞典 「皇別」の意味・読み・例文・類語

こう‐べつクヮウ‥【皇別】

  1. 〘 名詞 〙新撰姓氏録」に見られる氏族の三分類(神別・皇別・諸蕃)の一つ。皇族から出て臣籍に下ったとされる氏族。橘氏源氏平氏の類。
    1. [初出の実例]「天神地祇之胄、謂之神別、天皇皇子派、謂之皇別」(出典:新撰姓氏録(815)序)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「皇別」の意味・わかりやすい解説

皇別
こうべつ

神別、諸蕃(しょばん)とともに「三体」とよばれる氏族出自の類別の一つ。『新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)』において用いられているが、同書以前からこの類別は行われていた。皇別は、神武(じんむ)天皇に始まる諸天皇の後裔(こうえい)と称する氏族をさし、皇別氏族の姓(かばね)には公(きみ)(君)、臣(おみ)などがあり、公(君)姓では、崇神(すじん)天皇の子孫と称する上毛野君(かみつけぬのきみ)、臣姓では、孝元(こうげん)天皇の後裔といわれる阿倍臣(あべのおみ)が著名。684年(天武天皇13)、主として継体(けいたい)天皇以降の公姓氏族は真人(まひと)、その他の皇別氏族は朝臣(あそん)の姓となる。

佐伯有清

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「皇別」の意味・わかりやすい解説

皇別
こうべつ

古代,天皇家から分れて臣籍に下った氏族。遠い皇親には臣 (おみ) ,近い皇親には公 (君) の姓が与えられ,八色の姓 (やくさのかばね) (684) で,公は真人 (まひと) ,臣は朝臣 (あそみ) となり,最高の地位にあった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「皇別」の解説

皇別
こうべつ

古代,神武天皇以後,天皇の子孫で臣下になったと伝えられる氏
氏族の分類の一つで,神の子孫の神別の氏,渡来人系子孫の蕃別(諸蕃)の氏に対していう。

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