(読み)たちばな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


たちばな

山口県南東部,瀬戸内海の防予諸島大島 (屋代島) にある地区。旧町名。 1955年日良居村と安下庄 (あげのしょう) 町が合体して発足。 2004年 10月,久賀町,大島町,東和町と合併し,周防大島町となる。大島中央の地峡部を占め,北は安芸灘,南は伊予灘に面し,頭島浮島立島を含む。古くからの漁港で,イワシ,タイ,ナマコを漁獲。山地斜面ではミカンの栽培が盛ん。安下庄のシナナシは天然記念物。嘉納山,嵩山の一帯と北方の広島湾にある浮島は瀬戸内海国立公園に属し,夏はキャンプや海水浴客でにぎわう。


たちばな

神奈川県南西部,小田原市東端をなす旧町名。 1971年小田原市に編入。西湘バイパス橘インターチェンジがある。


たちばな

徳島県東部,橘湾にのぞむ阿南市の1地区。旧町名。 1958年富岡町との合体により阿南市となる。富岡と並んで市の中心地。古くからの漁村で,イセエビテングサ,カマス,マグロ,カツオなどを水揚げし,ノリの養殖,水産加工も行われた。湾内は深く,新産業都市に指定 (1964年) されてからは工業地区開発を目指して火力発電所が建設さるなど,電機工場が進出している。

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デジタル大辞泉の解説

きつ【橘】[漢字項目]

人名用漢字] [音]キツ(漢) [訓]たちばな
木の名。タチバナ。「橘中/柑橘類
橘(たちばな)氏のこと。「源平藤橘
[難読]枸橘(からたち)

たちばな【×橘】

ミカン科の常緑小高木。枝にとげをもち、葉は小さい。6月ごろ、白い5弁花を開く。実は小さく、黄熟しても酸味が強く苦みもあり食用にはしない。日本たちばな。 実=秋 花=夏》「青き葉の添ふ―の実の割かれ/草城
カラタチバナの別名。
生食された柑橘(かんきつ)類の総称。
紋所の名。タチバナの葉と実とを組み合わせて描いたもの。

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大辞林 第三版の解説

たちばな【橘】

ミカン科の常緑小高木。日本原産唯一の柑橘類とされ、四国・九州・沖縄などに自生。初夏に芳香のある白色の五弁花を開く。果実は小さく、黄熟しても酸味が強く食用には向かない。紫宸殿の「右近の橘」は本種といわれる。ヤマトタチバナ。 [季] 秋。 〔「橘の花」は [季] 夏〕
古来、食用とされたミカン類の総称。非時香菓ときじくのかくのこのみ
家紋の一。橘の花・実・葉をかたどったもの。

たちばな【橘】

姓氏の一。古代の名族。708年(和銅1)に美努みぬ王の妻、県犬養あがたいぬかいの三千代が賜った橘宿禰の姓を、子の葛城王(諸兄)らが臣籍に下って受け継いだのに始まる。諸兄らは以後の朝政に重きをなしたが、平安時代に承和の変で逸勢が失脚した頃から後は衰退した。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔徳島県〕橘(たちばな)


徳島県阿南(あなん)市南部の港湾・工業地区。橘町が1958年(昭和33)富岡(とみおか)町と合体、阿南市となる。橘港は沿岸漁業が盛ん。1963年(昭和38)、阿南市が徳島新産業都市区域に指定され、臨海部に電機・木材工場や発電所などが進出。

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

橘 (タチバナ)

植物。ヤブコウジ科の常緑低木,園芸植物。カラタチバナの別称

橘 (タチバナ)

植物。ミカン科の常緑小高木,園芸植物。キシュウミカンの別称

橘 (タチバナ)

学名:Citrus tachibana
植物。ミカン科の常緑低木,園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

たちばな【橘】

[1]
① 生食されたミカンの古名。キシュウミカンやコウジに類する。京都御所の紫宸殿(ししんでん)の南階下の西側にある「右近(うこん)の橘(たちばな)」はこれという。《季・新年》
※古事記(712)中「其の登岐士玖能(ときじくの)迦玖能(かくの)木の実は、是れ今の橘(たちはな)ぞ」
※源氏(1001‐14頃)胡蝶「たちはなの薫りし袖によそふれば」
② ミカン科の常緑低木。日本で唯一の野生のミカンで近畿地方以西の山地に生え、観賞用に栽植される。高さ三~四メートル。枝は密生し小さなとげがある。葉は長さ三~六センチメートルの楕円状披針形で先はとがらず縁に鋸歯(きょし)がある。葉柄の翼は狭い。初夏、枝先に白い五弁花を開く。果実は径二~三センチメートルの偏球形で一一月下旬~一二月に黄熟する。肉は苦く酸味が強いので生食できないが、台湾では調味料に用いる。やまとたちばな。にほんたちばな。《季・秋》
※随筆・胆大小心録(1808)四二「この橘は今も東国にあるが、蜜柑のかたちで、苦味がつようて、うまい物ではなし」
③ 植物「からたちばな(唐橘)」の異名。
※有明の別(12C後)三「みすのうちこぼれいでたる袖ぐちども、をりに合ひたるなでしこのはな、たちはな、しゃうぶ、つつじ、かきつばたなどやうのいろを」
⑤ 紋所の名。橘の葉と実とを組み合わせて図案化したもの。橘姓(橘諸兄)の紋にはじまるといい、久世・井伊・黒田家と日蓮宗(日蓮の出自は井伊家の分家の貫名家という)の紋となる。橘、向い橘、杏葉(ぎょうよう)橘、枝橘など種々ある。
※浮世草子・好色一代男(1682)七「天目水飜も橘(タチバナ)の紋付」
⑥ 香木の名。分類は真那賀(まなか)。香味は苦酸。六十一種名香の一つ。
※建部隆勝香之筆記(香道秘伝所収)(1573)「一 橘(タチバナ)、聞上々真那賀」
⑦ 薫物の名。
※仮名草子・竹斎(1635)上「玉簾の隙間漏り来る薫物は、〈略〉卯の花、たち花、雪の松」
[2] 奈良県高市郡明日香村の地名。飛鳥川の上流左岸。橘寺(菩提寺)がある。
※万葉(8C後)二・一七九「橘(たちばな)の嶋宮(しまのみや)には飽かねかも佐田の岡辺に侍宿(とのゐ)しに行く」
[語誌](1)「書紀‐垂仁九〇年二月」によると、田道間守(たじまもり)を常世の国に遣わして「非時香菓(ときじくのかくのこのみ)」を求めさせたが、これが「橘」であるという。
(2)花について、歌では、ホトトギスと取り合わせ、その芳香を愛で、蘰(かづら)にするなど詠み、「五月待つ花たちばなの香をかげば昔の人の袖の香ぞする」〔古今‐夏〕により、懐旧の念を起こさせるものとする。実は、平安時代の物語などでは、酒肴にしたり〔伊勢物語‐六〇〕、病人食〔宇津保‐藤原の君〕や妊婦食〔篁物語〕にしている。

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