相馬泰三(読み)ソウマ タイゾウ

20世紀日本人名事典 「相馬泰三」の解説

相馬 泰三
ソウマ タイゾウ

大正・昭和期の小説家



生年
明治18(1885)年12月29日

没年
昭和27(1952)年5月15日

出生地
新潟県中蒲原郡庄瀬村(現・白根市)

本名
相馬 退蔵

学歴〔年〕
早稲田大学英文科〔明治39年〕中退

経歴
万朝報に勤務し、そのかたわら「早稲田文学」に「地獄」などの小説を発表。大正元年「奇蹟」の創刊に参加し「夢」「小さき影」などを発表。大正3年「六月」を刊行。7年長篇「荊棘の路」を刊行。その後は文学的に行きづまった。他の代表作品に「田舎医師の子」「羽織」「道伴れ」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「相馬泰三」の意味・わかりやすい解説

相馬泰三
そうまたいぞう
(1885―1952)

小説家。新潟県生まれ。本名退蔵。早稲田(わせだ)大学英文科中退。1912年(大正1)葛西善蔵(かさいぜんぞう)、広津和郎(かずお)らと同人雑誌『奇蹟(きせき)』を創刊し、『夢』などを発表。14年自伝的作品『田舎(いなか)医師の子』を発表して文壇に登場。生活や友人に対して超然とした態度をとるべきだという、作家風々(ふうふう)主義を唱えていたが、唯一の長編『荊棘(けいきょく)の路(みち)』(1918)において、友人たちを悪(あ)しざまに描き、モデル問題をおこした。昭和に入ってからは農村問題関心をもち、また紙芝居の向上に貢献した。

[大森澄雄]

『『現代日本文学大系49 相馬泰三他集』(1973・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相馬泰三」の意味・わかりやすい解説

相馬泰三
そうまたいぞう

[生]1885.12.29. 新潟,庄瀬
[没]1952.5.15. 東京
小説家。本名,退蔵。早稲田大学英文科中退。葛西善蔵,広津和郎らと『奇蹟』を創刊 (1912) ,『田舎医師の子』 (14) などで自然主義風な虚無的,倦怠的な作風を示した。代表作は長編『荊棘 (いばら) の路』 (18) で,『奇蹟』同人をモデルに,文学を志す者の貧困と苦悩を描いている。ほかに『憧憬』 (17) ,『Y駅附近』 (20) など。晩年は不遇だった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「相馬泰三」の解説

相馬泰三 そうま-たいぞう

1885-1952 大正-昭和時代の小説家。
明治18年12月29日生まれ。広津和郎(ひろつ-かずお)らと同人誌「奇蹟」を創刊。大正3年「田舎医師の子」で文壇にみとめられる。7年の「荊棘(いばら)の路(みち)」は代表作とされるが,モデル問題をおこした。晩年は加太こうじと紙芝居の制作にたずさわる。昭和27年5月15日死去。66歳。新潟県出身。早大中退。本名は退蔵。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「相馬泰三」の解説

相馬 泰三 (そうま たいぞう)

生年月日:1885年12月29日
大正時代;昭和時代の小説家
1952年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android