(読み)ビョウ

デジタル大辞泉 「眇」の意味・読み・例文・類語

びょう〔ベウ〕【×眇】

[ト・タル][文][形動タリ]非常に小さいさま。取るに足りないさま。
元来どだいこの―たる人間智力から割出したものは」〈魯庵社会百面相

すが‐め【×眇】

片目斜視などの目。
意識的にひとみを片寄せた目。横目

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精選版 日本国語大辞典 「眇」の意味・読み・例文・類語

すが‐め【眇】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 斜視などの目。片目が細い目であること。また、片目が見えないこと。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「伊勢平氏はすがめなりけりとぞはやされける」(出典:平家物語(13C前)一)
  3. 意識的に瞳を片寄せて見る目。転じて、盗み目。ながし目。
    1. [初出の実例]「卒堵婆の方をすが目に見遣つつ」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)

眇の補助注記

平家」例は、「眇(すがめ)」と「酢瓶(すがめ)」とを掛けた部分。→酢瓶(すがめ)


びょうベウ【眇】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 片目。隻眼。斜視。〔易経‐履卦〕
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 小さいさま。わずかであるさま。また、とるに足りないさま。
    1. [初出の実例]「従来の駅站(ステーション)は眇たる児孫のみ」(出典米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
    2. [その他の文献]〔漢書注‐武帝紀〕

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普及版 字通 「眇」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音] ビョウ(ベウ)
[字訓] すがめ・ちいさい

[説文解字]

[字形] 会意
目+少。〔説文〕四上に「一目小なり」とあり、少の亦声とする。少にまた秒(びよう)の声がある。〔釈名、釈疾病〕に「目匡(もくきやう)(まぶた)陷なるを眇と曰ふ。眇は小なり」とあり、小さい目の意。また細小、すがめ、いやしい、尽きるの意となる。

[訓義]
1. ちいさいめ。
2. すがめ、かため、すがめてみる。
3. 小さい、ほそい、いやしい。
4. とおい、つきる。
5. 妙と通じ、うつくしい、くわしい、かわいい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕眇 スガメ・ハルカナリ・イヤシ・チラス・ヲチカタメ 〔字鏡集〕眇 トホシ・ハルカ・ハルカナリ・イヤシ・テラス・ヨリミル・スクナシ・スガメム

[熟語]
眇勁眇睨眇蹇眇乎眇忽・眇思・眇指・眇視眇爾眇升・眇小・眇身・眇絶・眇・眇然・眇年・眇薄眇漠・眇・眇微眇眇・眇・眇末眇漫眇冥・眇目眇黙・眇麗・眇論
[下接語]
蹇眇・幻眇・玄眇・鴻眇・至眇・深眇・孱眇・沖眇・禿眇・眇・跛眇・微眇・末眇・盲眇・眇・目眇・幽眇・幼眇・要眇

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