日本大百科全書(ニッポニカ) 「硝酸マンガン」の意味・わかりやすい解説
硝酸マンガン(データノート)
しょうさんまんがんでーたのーと
Mn(NO3)2・6H2O | |
式量 | 287.0 |
融点 | 25.8℃ |
沸点 | 129.4℃(徐々に分解) |
比重 | 1.82(測定温度21℃) |
結晶系 | 単斜 |
溶解度 | 426g/100g(水0℃) |
硝酸マンガン
しょうさんまんがん
manganese nitrate
マンガンの硝酸塩で、酸化数Ⅱ、Ⅲのものが知られる。硝酸マンガン(Ⅱ)は金属または炭酸マンガン(Ⅱ)を硝酸に溶かした水溶液を蒸発すると、室温以下で六水和物が得られる。水、エタノール(エチルアルコール)によく溶ける。ほかに四、三、二および一水和物がある。水和物の結晶を五酸化二リンと放置すると無水和物が得られる。吸湿性で、200℃で二酸化窒素と酸化マンガン(Ⅳ)に分解する。いずれも淡紅色結晶。触媒として用いられる。硝酸マンガン(Ⅲ)Mn(NO3)3無水塩は合成するのが困難であったが、無水のフッ化マンガン(Ⅲ)に五酸化二窒素と四酸化二窒素の混合物を作用させて1972年につくられた。
[守永健一・中原勝儼]