磁苦土鉄鉱(読み)じくどてっこう(その他表記)magnesioferrite

最新 地学事典 「磁苦土鉄鉱」の解説

じくどてっこう
磁苦土鉄鉱

magnesioferrite

化学組成鉱物マグネシオフェライトとも。スピネル上族オキシスピネル族スピネル亜族の一種。立方晶系,空間群Fd3m,格子定数a0.8383nm,単位格子中8分子含む。微細な八面体結晶,ふつう結晶の集合。金属光沢劈開なし。硬度6〜6.5。比重4.6。黒〜黒褐色,条痕黒色,不透明,反射率 16〜19%。強磁性。Mg-Fe2+置換により磁鉄鉱と完全固溶体を形成。スカルン緑泥片岩・超苦鉄質岩中,イタリアのシチリア島などでは火山噴気孔にも産出。北海道日高町岩内岳のかんらん岩中などにみられる。名称は化学組成による。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「磁苦土鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

磁苦土鉄鉱
じくどてっこう
magnesioferrite

酸化鉱物の一つ。磁鉄鉱の二価鉄(Fe2+)のマグネシウム(Mg)置換体広義の尖晶石(せんしょうせき)(スピネル)族の一員。磁鉄鉱系。自形は正八面体。磁鉄鉱より形態上の変化は少ない。アルカリ火山岩中や同様の岩質のマグマの活動する火山の噴気生成物として産し、比較的高温生成の苦灰岩(くかいがん)起源のスカルン中にも産する。キンバレー岩中の磁性成分をなすことがある。ある種のカーボナタイトの少量成分をなす。アルカリ斑糲岩(はんれいがん)中に含まれる。また、ある種の超塩基性岩に少量含まれる。塩基性岩起源で比較的高変成度の広域変成岩中に産する。日本では福島県石川郡石川町沢井の超塩基性岩中に産する。

 共存鉱物は沢井では苦土橄欖石(くどかんらんせき)、蛇紋石、透閃石(とうせんせき)、方解石など。同定は磁鉄鉱との区別がしがたいが、磁鉄鉱よりやや硬度が高く、比重が小さいことによる。磁性は磁鉄鉱より強く感じられる。命名は磁性の存在と主成分としてのマグネシウムの存在による。

加藤 昭 2017年5月19日]


磁苦土鉄鉱(データノート)
じくどてっこうでーたのーと

磁苦土鉄鉱
 英名    magnesioferrite
 化学式   MgFe3+2O4
 少量成分  Fe2+,Mn2+,Ti,Al,Cr
 結晶系   等軸
 硬度    6~6.5
 比重    4.56
 色     黒
 光沢    亜金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   化学式中のFe3+はFe3+Fe3+をFe2+Ti4+が組み合わせ置換する形で置き換えられ、最大でTiO2が20%を超えることもある

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む