明治維新期における外国兵との衝突事件。1867年(慶応3)12月20日、岡山藩に摂津国西宮(にしのみや)(兵庫県西宮市)警備の命が出され、家老以下2000の兵が西宮に赴く途中、翌68年1月11日、英・仏兵と紛争を起こし相互に発砲した。しかも駆けつけたイギリス公使パークスにまで発砲したので、岡山藩兵は大事になることを考えて西宮に退き、ただちに新政府に報告。他方イギリス側も、米・仏陸戦隊の応援を得て、神戸の東西両口を抑え、港内停泊中の諸藩艦船を抑留した。対外関係の悪化を恐れた政府は、各国公使にいろいろと陳謝し、かつ家老の家来滝善三郎に責任をとらせて自刃させたので、ようやく事なきを得た。
[池田敬正]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
開港地神戸での岡山藩兵と外国兵の衝突事件。1868年(明治元)1月11日,三宮神社前を西宮警備に向かう家老日置帯刀(ひきたてわき)以下の岡山藩兵の隊列を横切ったフランス水兵の制止を発端に,藩兵の威嚇発砲に英・仏・米陸戦隊が応戦(死者なし),列国の神戸一時占領を招いた。新政府は事件4日後,外国使臣に王政復古を告げ開国和親を布告。外国側に陳謝と責任者極刑を要求され,日置を謹慎,隊長滝善三郎を切腹させて事件は解決した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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