神木動座(読み)しんぼくどうざ

精選版 日本国語大辞典 「神木動座」の意味・読み・例文・類語

しんぼく‐どうざ【神木動座】

〘名〙 平安末期以降、興福寺僧兵朝廷強訴(ごうそ)するときに、神威を奉じてその主張を貫くために、奈良春日大社神体である神木をかつぎ出すこと。延暦寺の僧兵が近江滋賀県)大津坂本の日吉(ひえ)大社の神輿を奉ずるのは、神輿動座という。
※園太暦‐文和五年(1356)正月三日「叙位儀、依神木動座停止歟之由」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「神木動座」の解説

神木動座
しんぼくどうざ

寺社の強訴(ごうそ)の際,神の依代(よりしろ)となる神聖な樹木すなわち神木に神体の神鏡祭り,移殿(うつしどの)・金堂などに移しおくこと。朝廷側では神慮を恐れて謹慎し,寺社の要求をいれることが多かった。動座によっても目的が達せられない場合には,神木を押し立てて上洛した。これを神木入洛という。興福寺による春日社の神木動座・入洛が有名。神木入洛のはじめは1093年(寛治7)の強訴とされる。

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