本居宣長(もとおりのりなが)が和歌山藩主徳川治貞(はるさだ)に上呈した,古道論に立脚した政教論。「玉くしげ」別巻と同時に献上された。1787年(天明7)成稿。天明の飢饉を背景に,主君以下,家中に至る武家の奢侈を戒めて,分際を守るべきことをいい,武家の本分を重んじつつも,役用の少ない家中には農作を勧める。当時横行した強訴・一揆については,為政者の責任を問い,町人の富裕を犠牲にしてでも農民の困窮を救うべき仁政の実践を提訴する。「岩波文庫」「本居宣長全集」所収。
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