古道(読み)コドウ

デジタル大辞泉 「古道」の意味・読み・例文・類語

こ‐どう〔‐ダウ〕【古道】

古い道路。旧道
古代の、あるいは古来道義学問文化

ふる‐みち【古道】

古い道。旧道。こどう。

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精選版 日本国語大辞典 「古道」の意味・読み・例文・類語

こ‐どう‥ダウ【古道・故道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古い道路。旧道。ふるみち。
    1. [初出の実例]「古道西横随駱駅、春峰都繞挿虹蜺」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)七・暮春山家晩望〈釈蓮禅〉)
    2. [その他の文献]〔史記‐河渠書〕
  3. 昔の聖人賢人のふみ行なった道。古代の学問や技芸の道。また、その術や方法。
    1. [初出の実例]「方今天下一変、古道不作久矣」(出典:補庵京華後集(1477‐80)光甫字説)
    2. [その他の文献]〔漢書‐食貨志上〕

ふる‐みち【古道】

  1. 〘 名詞 〙 古い道。古くつくられた道。旧道。こどう。
    1. [初出の実例]「天皇誦古歌曰。古への野中浮流彌知(フルミチ) 改めば改まらむや野中浮流彌知(フルミチ)」(出典:類聚国史‐七五・曲宴・延暦一四年(795)四月戊申)

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日本歴史地名大系 「古道」の解説

古道
ふるみち

[現在地名]金沢市芳斉ほうさい二丁目・昭和町しようわまち元菊町もとぎくちよう

古道町からほぼ並行して南へ折れる二本の両側町。東の通りはさらに南に延び、三社水閘さんじやどんど大野庄おおのしよう用水を渡ったのち、西方三社宮さんじやみやまえに続き、南東は高厳寺前こうがんじまえに至る。長さ二町ほど。西の通りは長さ一町五間ほど。また中ほどより西へ折れ、さらに二つに分岐して南西は三社垣根さんじやかきねへ続き、北西は死道となる(皇国地誌)。用水は三社水閘で南西に分流し、分流は長田ながた村へ、本流は木揚場きあげばへ至る(稿本金沢市史)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「古道」の意味・わかりやすい解説

古道
こどう

古来使われてきた道で、いまもその痕跡(こんせき)を残しているもの。広義には、近代的車道・新道に対して、それ以前の人馬往来の道をさすが、所によっては、江戸時代の旧街道を外れて残る古代・中世の道を古道とよぶことがある。歴史の諸時代にはそれぞれ特有の道路網があり、都鄙(とひ)間の幹線路、地域間の支線路、地域内の日常生活路、それらと重なりつつ独自のルートをとる信仰の道などが、それぞれの役割を担い、交通様式の変遷につれて興廃を繰り返した。近現代の車道・鉄道発達の陰で、無数の旧道が埋没し廃絶していったが、なかには地域民間の暮らしのなかでなお生命を保ち、その道筋、路相、遺跡、風物などに古風を伝えているものが少なくない。近年乱開発が進むなかで、これら古道を貴重な歴史的遺産として再評価し、沿道や周囲の史跡、文化財、自然景観と一体のものとして保存・整備して、広域的な歴史の現地学習や、地域の望ましい文化的環境づくりに役だてようとする動きが各方面で活発になってきた。文化庁による熊野古道熊野街道)など「歴史の道」の指定と整備事業はその例である。また、環境省が整備を進めている東海自然歩道九州自然歩道などの「長距離自然歩道」(2000年の利用者は5252万4000人)にも同じ構想が組み込まれている。なお、熊野古道は、2004年(平成16)「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界遺産文化遺産)に登録された。

戸田芳実

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古道」の意味・わかりやすい解説

古道
こどう

一般的には昔の聖人や賢人の踏み行なった道,古代の学問,道義,技芸あるいはその方法を意味するが,普通,本居宣長や平田篤胤らを代表とする国学古道説のそれをさすことが多い。国学古道説の古道とは,仏教,儒教などの外来思想を排斥し直接『古事記』『日本書紀』によることによって明らかにされる日本古代の神話的世界の事跡を意味する。宣長の『直毘霊』や篤胤の『古道大意』などにその大要が述べられている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「古道」の解説

古道
こどう

国学者が日本の古代文献を通して明らかにしようとした道。儒教の仁義礼智信などの道徳的規範に対する反発から生まれた。典型的な主張は,賀茂真淵の「国意考」にある「天地のまにまに丸く平らか」な道,本居宣長の「直毘霊(なおびのみたま)」にみえる「天照大御神の受たまひたもちたまひ,伝へ賜ふ道」などである。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「古道」の解説

古道 こどう

村井古道(むらい-こどう)

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普及版 字通 「古道」の読み・字形・画数・意味

【古道】こどう

旧道。

字通「古」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の古道の言及

【神道】より

…しかし,明確な教義を持たず,農耕などの儀礼を中心とした生活習慣そのものであった神々の祭祀を,仏教や儒教と同列に考えることは種々の無理があったことはいうまでもなく,上記の例も中国を意識した文章上の配慮から神道の語を用いたものと思われる。《古事記》や《日本書紀》では,本教,神習,神教,徳教,大道,古道などの語もカミと読ませているところからもうかがえるように,カミということばの表記も一定しておらず,神道という語もそれらの一つでしかなかった。日本の土着の信仰を,神道と呼ぶことは,中世に入っても一般化してはおらず,神道の語をカミそのもの,あるいはカミの働きをさすことばとして用いている例は少なくない。…

【道】より

…しかし古来の道は,東山道が木曾路を選ぶようになる大変化のほかは江戸時代に至るまで大筋において守られている。
[古道の検討]
 東海道筋には,関東に入る際に一つの大きな路線の変更がある。それは足柄峠越えから箱根峠越えへの変更である。…

【都路[村]】より

…周囲を五十人山(883m)をはじめとする標高700~900mの山々に囲まれ,山林原野が村域の大半を占める。中心集落は古道(ふるみち)で,郡山市と浜通り中部とを結ぶ旧都路街道(国道288号線)に面する街村である。古くから製炭と馬産が行われ,特に馬産は17世紀に三春藩が優良馬を貸し付けて奨励して以来盛んになった。…

※「古道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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