(読み)オン

デジタル大辞泉 「穏」の意味・読み・例文・類語

おん【穏〔穩〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]オン(ヲン)(呉)(漢) [訓]おだやか
落ち着いている。おだやか。「穏健穏和安穏あんおん・あんのん静穏不穏平穏
[名のり]しず・とし・やす・やすき

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精選版 日本国語大辞典 「穏」の意味・読み・例文・類語

おだいおだひ【穏】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 物事状態が穏やかなさま。→おだいかおだいし
    1. [初出の実例]「心も安く於多比(オダヒニ)在と常人の念(おもひ)云所に在」(出典続日本紀‐天平宝字八年(764)一〇月一四日・宣命)

おだい‐おだひ‥【穏】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「おだい」を形容詞化したもの ) 穏やかである。安らかである。おだしい。→おだいか
    1. [初出の実例]「仁孝も兼厚くしてたのもしく於太比之久(オタヒシク)在す」(出典:続日本後紀‐天長一〇年(833)二月・宣命(谷森本))

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普及版 字通 「穏」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)穩
19画

[字音] オン(ヲン)
[字訓] おだやか

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は穩に作り、(いん)声。〔説文新附〕七上に「を蹂(ふ)んで聚(あつ)むるなり」とするが、その用義例なく、すべて穏便の意に用いる。

[訓義]
1. おだやか、やすらか。
2. 穀物をふみ集める。

[古辞書の訓]
名義抄〕穩 ヲダヒカナリ・ヲダヒニ・ヤスシ・ヤスラカナリ・タヒラカナリ

[語系]
inは同声。蹂穀の義はあるいはと関係があろう。は〔説文〕五下に「秦人相ひして麥をふを謂ひてと曰ふ」とみえる。穩un、隱(隠)inは声義が近い。隱は呪具の工を上下よりもち、神梯((ふ))の前に神を隠す意。穩はと同系の語であるが、と声義の関係は知りがたい。あるいは収穫の安穏を祈る意であろう。

[熟語]
穏穏穏駕穏臥・穏記・穏・穏健・穏固穏坐・穏実穏重穏称穏帖・穏身穏審穏睡穏妥・穏当穏婆・穏便・穏平穏歩穏利穏麗
[下接語]
安穏・臥穏・舟穏・詳穏・深穏・睡穏・栖穏・清穏・不穏・平穏・夢穏

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「穏」の解説

おだやか【穏】

福島の日本酒。酒名は、当主が代々襲名する一文字「穏」に由来。純米大吟醸酒、大吟醸酒、特別純米酒がある。平成7、8、16、18~20、24、26年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、一本〆など。仕込み水は阿武隈(あぶくま)山系の伏流水。蔵元の「仁井田本家」は正徳元年(1711)創業。所在地は郡山市田村町金沢字高屋敷。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

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