窃視症(読み)せっししょう(英語表記)voyeurism

翻訳|voyeurism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「窃視症」の解説

窃視症
せっししょう
voyeurism

異常性欲性的倒錯一種で,他人裸体性器をのぞき見することによって性的な興奮・満足を得るものをいう。性的不満の代償や道徳的抑制解除によってそのような行為が成される場合もあるが,特異な強迫的心理によるケースが多い。フロイトによれば,自体性愛の段階では自己の性器に対する関心注視が見られるが,この注する (のぞく) という能動的行為が,自己から他者という新しい対象に向けられるとき窃視 (のぞき) が生じ,性器が自分自身によって注視される (のぞかれる) という受動的行為が,自己ではなく新しい主体である他者によって注視されようとして自己を暴露するとき露出が生じるという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

精選版 日本国語大辞典「窃視症」の解説

せっし‐しょう ‥シャウ【窃視症】

〘名〙 異常性欲の一つ。異性の裸体や性行為などをのぞき見ることによって性的満足を得るもの。瞠視(どうし)症。スコポフィリー。〔日本家庭大百科事彙(1927‐31)〕
※男の遠吠え(1974‐75)〈藤本義一〉女のノゾキ心理「窃盗ではなく窃視犯であり、これは病気の一種で窃視症ともいう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の窃視症の言及

【性倒錯】より

…自分自身の肉体を性対象とするオートエロティズム(ナルシシズム),自分と同性を対象とする同性愛,性的に未熟な幼児を対象とする幼児性愛(ペドフィリアpedophilia),老人を対象とする老人性愛(ジェロントフィリアgerontophilia),死体を対象とする屍体性愛(ネクロフィリアnecrophilia),動物(獣,鳥など)を対象とする動物性愛(ゾーフィリアzoophilia,これにもとづく行為が獣姦=ソドミーsodomy),フェティッシュと呼ばれる物品や肉体の一部を性愛の対象とするフェティシズム,親子・同胞と交わる近親相姦など。一方,性目標の異常としては,露出症,窃視症(voyeurism,いわゆる〈のぞき〉),サディズムマゾヒズム,異性装症ないし服装倒錯(トランスベスティズムtransvestism)などがあげられてきた。異性との性器交接を正常の性交と考えると,これらの行為はいずれも,それによって得られる以上の性的興奮,快感,満足を,これらの性対象や性行為から獲得しようと試みるものとされてきた。…

【露出症】より

…S.フロイトによれば,自体性欲の段階では自己の性器に対する関心・注視が見られるが,見る主体が自己から他者に変化することによって露出症の構造が生じる。ちなみに見られる客体の方が変化して他人の性器になったものが窃視症voyeurism(のぞき)である。露出の行為は,他人に嫌悪,恐怖などの感情を引き起こすので,日本の法律では軽犯罪法違反や公然猥褻(わいせつ)罪によって取り締まられることがある。…

※「窃視症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

国立国会図書館

国立国会図書館法に基づいて設置された図書館。1948年の設立当初は赤坂離宮を使用したが,1961年東京都千代田区永田町に新築移転した。国立図書館であり同時に国会図書館でもあるため国会の立法行為に関する...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android