立原杏所(読み)タチハラキョウショ

デジタル大辞泉 「立原杏所」の意味・読み・例文・類語

たちはら‐きょうしょ〔‐キヤウシヨ〕【立原杏所】

[1786~1840]江戸後期の文人画家水戸の人。翠軒長男。名は任。あざなは子遠。別号、東軒など。谷文晁たにぶんちょうに学び、中国代の絵を研究

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精選版 日本国語大辞典 「立原杏所」の意味・読み・例文・類語

たちはら‐きょうしょ【立原杏所】

  1. 江戸後期の画家。名は任。字(あざな)は子遠。水戸藩士立原翠軒長子。画を水戸の町人画家林十江(じっこう)、のち谷文晁に学び、明・清の絵画も研究、関東南画壇の中心をなした。天明五~天保一一年(一七八五‐一八四〇

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改訂新版 世界大百科事典 「立原杏所」の意味・わかりやすい解説

立原杏所 (たちはらきょうしょ)
生没年:1785-1840(天明5-天保11)

江戸後期の文人画家。水戸藩士。名は任,字は遠卿,子遠,通称甚太郎。杏所のほか号に東軒,玉琤舎,香案小吏など。立原翠軒の長子で藩主徳川治紀(武公),斉修(哀公),斉昭(烈公)3代に仕え,ことに烈公の信任厚かった。幼少のころ林十江(長羽)に絵を学び,のち僧月遷に,また江戸で谷文晁に師事した。明清画の研究にも深く手を染め,格調ある画風を確立したが,古画の模写写生を重視する作画態度は,文晁の影響が強かったと思われる。渡辺崋山,椿椿山らと交わり,関東南画壇の中心であったが,青地林宗ら蘭学者とも往来し,蘭画もその作画の参考とした。
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百科事典マイペディア 「立原杏所」の意味・わかりやすい解説

立原杏所【たちはらきょうしょ】

江戸末期の文人画家。水戸藩士。名は任,字は遠卿,杏所は号。翠軒を父とし,学識深く高潔の士であった。南画谷文晁に学び,渡辺崋山椿椿山らと親交。書もよくした。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「立原杏所」の意味・わかりやすい解説

立原杏所
たちはらきょうしょ

[生]天明5(1785).12.26. 水戸
[没]天保11(1840).5.20. 江戸
江戸時代後期の南画家。立原翠軒の子。名は任,通称は甚太郎,字は子遠または遠卿,号は東軒,玉そう舎,杏所。水戸藩士。初め水戸の町人画家林十江に,のち谷文晁に学んだ。さらに渡辺崋山,椿椿山 (つばきちんざん) ,高久靄 厓 (たかくあいがい) らと交わり,品格高い花鳥虫魚図を得意とした。主要作品『芦荻鴛鴦図 (ろてきえんおうず) 』『松下弾琴図』『雪月花』『水藻遊魚図』『葡萄図』。

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朝日日本歴史人物事典 「立原杏所」の解説

立原杏所

没年:天保11.5.20(1840.6.19)
生年:天明5.12.16(1786.1.15)
江戸後期の南画家。水戸の出身で3代の藩主に仕えた。名は任,字は子遠,はじめ甚太郎,のち任太郎と称し,香案小吏とも号した。父の立原翠軒は水戸藩随一の学者で,絵画にも造詣が深かった。杏所は当初林十江に学び,円山四条派の影響も受け,江戸に移ってからは谷文晁にもついた。渡辺崋山とも親しく,崋山が蛮社の獄(1839)で逮捕されたときは,椿椿山と救援に奔走した。すっきりと垢抜けした気品に富んだ表現が,杏所の作風の特色になっている。代表作に「葡萄図」(東京国立博物館蔵),「芦雁図」(個人蔵)などがある。

(小川知二)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「立原杏所」の解説

立原杏所 たちはら-きょうしょ

1786*-1840 江戸時代後期の画家。
天明5年12月16日生まれ。立原翠軒(すいけん)の長男。常陸(ひたち)水戸藩士。3代の藩主につかえ,徳川斉昭(なりあき)の信任をえる。画を林十江,小泉檀山,僧月僊(げっせん)らにまなび,谷文晁(ぶんちょう)の影響もうける。渡辺崋山と親交をむすんだ。天保(てんぽう)11年5月20日死去。56歳。名は任。字(あざな)は子遠,遠卿。別号に東軒,香案小史など。

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367日誕生日大事典 「立原杏所」の解説

立原杏所 (たちはらきょうしょ)

生年月日:1785年12月16日
江戸時代後期の南画家
1840年没

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