懈怠(読み)けだい

精選版 日本国語大辞典「懈怠」の解説

け‐だい【懈怠】

〘名〙 (「けたい」とも)
① 仏語。善を修する積極性がなく、また、悪は進んで行なう心の状態。精進に対していう。
※真如観(鎌倉初)「たとひ破戒無慙なり共、(ケダイ)をだにせずば」 〔成唯識論‐六〕
② なまけること。おこたること。なまけ。怠慢。かいたい。
※続日本紀‐天平七年(735)六月己丑「冝寺々務加修造、若有懈怠不上レ造成者、准前并之」

かい‐たい【懈怠】

〘名〙
① なまけ、おこたること。怠慢。けだい。〔布令必用新撰字引(1869)〕〔韓非子‐八姦〕
一定訴訟行為をなすべき期日にそれを怠り、または期間内に一定の訴訟行為をしないで過ごすこと。〔民事訴訟法(明治二三年)(1890)〕

け‐たい【懈怠】

〘名〙
② 法律用語。しなければならないことを怠ること。特に刑法では、認識のない過失をいう。〔現代大辞典(1922)〕

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デジタル大辞泉「懈怠」の解説

かい‐たい【×懈怠】

法律用語。
㋐ある義務を怠ること。民法上、過失同義とされる。
㋑一定の訴訟行為をなすべき期日にそれを怠り、また期間内に一定の訴訟行為をしないで過ごすこと。
けたい(懈怠)」に同じ。

け‐たい【×懈怠】

《近世ごろまでは「けだい」》なまけること。おこたること。怠惰。「懈怠の心が生じる」
仏語。善行を修めるのに積極的でない心の状態。精進(しょうじん)に対していう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「懈怠」の解説

懈怠
けだい
kausīdya

仏教用語。仏道修行に励まないこと。怠りなまけること。六大煩悩の一つあるいは二十随煩悩の一つとして数えられる。

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世界大百科事典 第2版「懈怠」の解説

かいたい【懈怠】

〈けたい〉とも読む。この言葉は,一般的には〈行わなければならないことがあるにもかかわらず,これを怠ること〉を意味するものとして用いられるが,法律用語としては次のように用いられている。民法上過失と同じ意味で用いられることもあるが(民法504条),主として民事訴訟法との関連で問題とされている。たとえば〈期日の懈怠〉とか,または〈期間の懈怠〉のごとく用いられる(旧民事訴訟法91条。現行民事訴訟法63条では,〈不遵守〉という用語に替えられている)。

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世界大百科事典内の懈怠の言及

【懈怠】より

…民法上過失と同じ意味で用いられることもあるが(民法504条),主として民事訴訟法との関連で問題とされている。たとえば〈期日の懈怠〉とか,または〈期間の懈怠〉のごとく用いられる(旧民事訴訟法91条。現行民事訴訟法63条では,〈不遵守〉という用語に替えられている)。…

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