デジタル大辞泉 「懈怠」の意味・読み・例文・類語
け‐たい【×懈怠】
2 仏語。善行を修めるのに積極的でない心の状態。
[類語]横着・怠慢・怠惰・無精・懶惰・面倒臭い・世話・煩雑・面倒・厄介・
〈けたい〉とも読む。この言葉は,一般的には〈行わなければならないことがあるにもかかわらず,これを怠ること〉を意味するものとして用いられるが,法律用語としては次のように用いられている。民法上過失と同じ意味で用いられることもあるが(民法504条),主として民事訴訟法との関連で問題とされている。たとえば〈期日の懈怠〉とか,または〈期間の懈怠〉のごとく用いられる(旧民事訴訟法91条。現行民事訴訟法63条では,〈不遵守〉という用語に替えられている)。前者は口頭弁論期日への出頭を求められているにもかかわらず,当事者がその期日に出頭しないこと,またはかりに出頭しても必要な訴訟行為(申立て,主張,証明)を行わないことをいう。後者は法律などにより定められている期間内に,求められている行為を行わないことをいう。いずれの場合も,とくに追完が許されている場合(旧159条等)以外は,当事者は懈怠によりその行為を行うべき機会を失う。当事者にこのような不利益を課すことによって,民事裁判の迅速化が図られている。
執筆者:納谷 廣美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…民法上過失と同じ意味で用いられることもあるが(民法504条),主として民事訴訟法との関連で問題とされている。たとえば〈期日の懈怠〉とか,または〈期間の懈怠〉のごとく用いられる(旧民事訴訟法91条。現行民事訴訟法63条では,〈不遵守〉という用語に替えられている)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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