端場(読み)ハバ

デジタル大辞泉 「端場」の意味・読み・例文・類語

は‐ば【端場】

義太夫節で、一場の筋の発端となる部分一段くちなかきりに分けたとき、口と中の部分。→切場きりば

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精選版 日本国語大辞典 「端場」の意味・読み・例文・類語

は‐ば【端場】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 浄瑠璃で、各段の切場(きりば)に対して、その発端になるはじめの部分。下級太夫の語ることが通例だが、特有の語り方があり、切場を引き立てる重要な役割を持つ。
    1. [初出の実例]「天文のけいこははばにひるねをし」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)満一)
  3. 歌舞伎で、通し狂言のうちあまり主要でない場面。
    1. [初出の実例]「役場と端場の差別」(出典:滑稽本・客者評判記(1811)中)

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改訂新版 世界大百科事典 「端場」の意味・わかりやすい解説

端場 (はば)

義太夫の楽曲構成名。5段組織の時代物浄瑠璃の初段から四段目にかけての各段は口,中,切に細分される。主要場面の切(切場)にたいして,中を端場,独立した場面の口を〈立端場(たてはば)〉といい,両方あわせて端場ともいう。世話物もほぼこれに準ずる。歌舞伎でも義太夫にならったいい方をする。ただし,初段の口は〈大序〉と称して,古くは重んじられた。切場にくらべ調子は高く,曲節も単純に,劇の筋を進めるのを主眼とする。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「端場」の意味・わかりやすい解説

端場
はば

浄瑠璃の各段の発端となる場。1段中の最も重要な語り場を切 (きり) と称するが,その前の,口 (くち) ,中 (なか) にあたる。『菅原伝授手習鑑』4段目「寺子屋」の前の「寺入り」など。特に重要な端場を「立 (たて) 端場」という。

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