竹内理三(読み)タケウチ リゾウ

20世紀日本人名事典 「竹内理三」の解説

竹内 理三
タケウチ リゾウ

昭和・平成期の日本史学者 東京大学名誉教授。



生年
明治40(1907)年12月20日

没年
平成9(1997)年3月2日

出生地
愛知県知多郡岡田町(現・知多市)

学歴〔年〕
東京帝国大学文学部国史学科〔昭和5年〕卒

学位〔年〕
文学博士(東京大学)〔昭和36年〕

主な受賞名〔年〕
西日本文化賞〔昭和31年〕,朝日文化賞〔昭和33年〕,紫綬褒章〔昭和44年〕,勲三等旭日中綬章〔昭和53年〕,文化功労者〔昭和63年〕,毎日出版文化賞(第45回)〔平成3年〕「角川日本地名大辞典」,早稲田大学名誉博士〔平成4年〕,文化勲章〔平成8年〕,知多市名誉市民〔平成9年〕

経歴
昭和5年東京帝国大学史料編纂所入所、10年史料編纂官補を経て、20年史料編纂官。23年九州大学教授、34年東京大学史料編纂所教授、40年同所長を経て、43年早稲田大学教授。53年定年退職。史学会会長、太宰府史跡調査研究指導委員会委員長、伊場遺跡を守る会代表なども務める。63年日本学士院会員、平成8年文化勲章受章。主な編著書奈良・平安・鎌倉時代の殆ど全ての古文書活字にして収めた退官後のライフワーク寧楽(なら)遺文」(全3巻)「平安遺文」(全15巻)「鎌倉遺文」(全42巻・補遺4)や、「日本上代寺院経済史の研究」「史籍解題辞典」「寺領荘園の研究」、「竹内理三著作集」(角川書店)などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「竹内理三」の意味・わかりやすい解説

竹内理三
たけうちりぞう
(1907―1997)

昭和期の歴史学者。愛知県知多郡(ちたぐん)岡田町(現、知多市)出身。1930年(昭和5)東京帝国大学文学部国史学科卒業。同年東京帝大史料編纂所(しりょうへんさんじょ)業務嘱託となり『大日本史料』編纂に従事。そのかたわら荘園制の研究を続け、『寺領荘園の研究』(1942)を刊行。1945年史料編纂官、1948年九州大学教授、1959年東京大学史料編纂所教授を経て同所長。1968年早稲田大学教授、1978年退職。1988年文化功労者、日本学士院会員。古代中世史研究の著書を刊行するとともに、『寧楽遺文(ならいぶん)』上下(1943・1944)、『平安遺文』全16巻(1946~1980)、『鎌倉遺文』全46巻(1971~1995)など史料集の網羅的編纂刊行に努め、研究の進展に貢献。1958年朝日文化賞受賞、1996年(平成8)文化勲章受章。『竹内理三著作集』全8巻(1998~2000・角川書店)がある。

[瀬野精一郎]

『「竹内理三人と学問」編集委員会編『竹内理三―人と学問―』(1998・東京堂出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹内理三」の意味・わかりやすい解説

竹内理三
たけうちりぞう

[生]1907.12.20. 愛知
[没]1997.3.2. 東京
日本史家。 1930年東京大学文学部国史科卒業。同大史料編纂所に勤務後,1948年九州大学教授。 1959年東京大学史料編纂所に戻り,1965年所長。 1968年退官し早稲田大学教授。初期には古代の寺院経済制度や平安時代の荘園について研究し,『日本上代寺院経済史の研究』 (1934) ,『寺領荘園の研究』 (1942) を発表した。その後律令国家の政治史へと研究対象を広げ,『律令制と貴族政権』で 1957年度朝日文化賞を受賞。荘園史料集をまとめた『寧楽遺文 (ならいぶん) 』 (1943~44) ,『平安遺文』 (1947~62) などは実証的かつ緻密な研究の成果である。ほかに『武士の登場』 (1965) などの著書がある。 1969年紫綬褒章受章。 1988年学士院会員,文化功労者。 1996年文化勲章を受章。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「竹内理三」の解説

竹内理三
たけうちりぞう

1907.12.20~97.3.2

昭和・平成期の日本史学者。愛知県出身。東大卒。東京大学史料編纂所勤務をへて九州大学教授となり,その後,史料編纂所に復帰し同教授・同所長。1968年(昭和43)早稲田大学教授。史学会理事長・文化財保護審議会第1専門調査会会長なども務めた。古代の寺院経済・寺領荘園研究の基礎を築いたほか,「寧楽(なら)遺文」「平安遺文」「鎌倉遺文」など古代・中世の基本史料の編纂・刊行にも尽力した。著書「奈良朝時代に於ける寺院経済の研究」「律令制と貴族政権」。日本学士院会員。96年(平成8)文化勲章受章。「竹内理三著作集」全8巻。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「竹内理三」の解説

竹内理三 たけうち-りぞう

1907-1997 昭和-平成時代の日本史学者。
明治40年12月20日生まれ。昭和5年東京帝大史料編纂(へんさん)所にはいる。九大教授をへて,34年東大史料編纂所教授,40年所長。のち早大教授。寺院経済,寺領荘園の研究分野をひらく。奈良時代から鎌倉時代までの古文書を収集し,「寧楽(なら)遺文」「平安遺文」「鎌倉遺文」として編集,刊行した。平成8年文化勲章。平成9年3月2日死去。89歳。愛知県出身。東京帝大卒。著作に「日本上代寺院経済史の研究」「寺領荘園の研究」など。

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367日誕生日大事典 「竹内理三」の解説

竹内 理三 (たけうち りぞう)

生年月日:1907年12月20日
昭和時代;平成時代の日本史学者。東京大学教授;九州大学教授
1997年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の竹内理三の言及

【荘園】より

…ただ中田薫が荘園領主権を公法上の支配権とし,朝河貫一が荘園とマナーの相違を強調,牧健二が(しき)の官職的・公法的側面に着目するなど,西欧の封建制との違いにそれぞれ注目していることは見のがせない。その後,竹内理三,今井林太郎らは活発な個別荘園研究を背景に,荘官・荘民,年貢公事(くじ)の実態など,内部構造の解明を進めたが,土地公有制をとる律令制との対立の中で荘園をとらえる一方,地頭・守護などの武士に荘園を変質・崩壊させる力を見いだす点では共通した見方に立ち,荘園整理令下地中分(したじちゆうぶん),半済(はんぜい)などもその観点から追究した。こうした蓄積に裏づけられて第2次大戦後,石母田正,永原慶二らはマルクス主義の立場から,荘園制を古代的な大土地所有の体系とし,在地領主によるその克服に中世封建制の成立をみる見方を定式化したのである。…

※「竹内理三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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