竹返し(読み)タケガエシ

デジタル大辞泉 「竹返し」の意味・読み・例文・類語

たけ‐がえし〔‐がへし〕【竹返し】

伝承的な子供の遊びの一。長さ15センチ、幅2センチほどの竹べら数本を上に投げて手の甲で受け、そのまま滑り落として全部を表か裏かにそろえることを競う。竹なんご六歌仙などともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「竹返し」の意味・読み・例文・類語

たけ‐がえし‥がへし【竹返】

  1. 〘 名詞 〙 子ども遊戯一つ。竹を割って長さ約一五センチメートル、幅約一・五センチメートルの表裏のある平たい小片に作り、その竹べらを数個片手の甲の上に並べ、手を返したりすべらせたりして、それらを下に落として、全部を表か裏かにそろえることを争うもの。竹篦返(しっぺいがえし)
    1. 竹返〈吾妻余波〉
      竹返〈吾妻余波〉
    2. [初出の実例]「竹かへしするに手の甲に載せたる竹を裏がへさむとする時突やうにするを」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)六下)

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改訂新版 世界大百科事典 「竹返し」の意味・わかりやすい解説

竹返し (たけがえし)

竹片を用いる日本の遊戯。長さ20cmほどの竹を幅1~2cmに割ったものを6本(5~12本のこともある)片手の手のひらにのせ,その手のひじを床について手首で竹片を投げ上げ,落ちてきたところを手の甲で受け止める。一方の手は床について動作のしやすい姿勢をとる。ついで,竹片を床上にすべり落として,あらかじめ定められた表裏の数にそろえれば勝となる。より難度の高い遊び方も行われる。竹べら遊び竹おとし,竹ならべなどともいう。17世紀前半の俳人松永貞徳の書に〈げへ〉の名で出てくると《和訓栞》にあり,江戸初期にはすでに行われていたことが知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「竹返し」の意味・わかりやすい解説

竹返し
たけがえし

伝承的な童戯の一種。長さ17、8センチメートル、幅2センチメートル、厚さ3ミリメートルほどの竹べら6本(5~12本の場合もある)を、一握りにして軽く投げ上げ、手の甲で受ける。それを床に滑り落として、全部を表か裏にそろえることを競う。地方的な名称が多く、はったん返し(愛媛)、七つ竹(京都)、竹なんご(新潟)、六歌仙(福島)などがある。慶長(けいちょう)(1596~1615)ごろからあったといわれ、竹返しの名称は『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』(1830)に出てくる。

[井之口章次]

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