笠木(読み)カサギ

精選版 日本国語大辞典 「笠木」の意味・読み・例文・類語

かさ‐ぎ【笠木】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鳥居、または、門、板塀、板橋などの上に渡す横木。冠木(かぶき)
    1. [初出の実例]「かさきをばかけずもあらなむ朝夕に宮のめ祈るおのれなこひに」(出典:類従本仲文集(992頃))
  3. 和船船尾の鳥居立上部の横木。また、近世の大型和船では、やぐら最後部の梁(はり)をいい、多数の梁のうち床船梁に立てられた大立(おおたつ)という二本の柱の上にのせるところから特につけられた名称で、通常、上笠木、下笠木の二材を設ける。横上(よこがみ)。〔和漢船用集(1766)〕
  4. 電柱頭部に載せる笠形の木。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「笠木」の意味・わかりやすい解説

笠木
かさぎ

建築用語。(1)塀、手すり、腰壁、パラペットparapet(手すり壁)などの上部材。本来は架木(ほこぎ)とよばれるべき高欄(こうらん)の最上部の横材も、最近は笠木と総称されることが多い。(2)鳥居の最上部にあり、島木(しまぎ)の上にかぶさる材。柱の頂上よりすこし下にあり門柱の上部を貫く冠木(かぶき)とは区別しなければならない。(3)和船の船尾の鳥居立(とりいたつ)上部の横木。近世の大型和船では矢倉(やぐら)最後部の梁(はり)。(4)電柱の頭部にのせる笠形の木。

中村 仁]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笠木」の意味・わかりやすい解説

笠木
かさぎ
coping; capping

コーピング石造建築などにおいて,壁の最上端にかぶせる石材。通常,下部よりやや広く造られ,水切り役目とともに,装飾的役割を果す。日本建築では,鳥居や塀,手すりなどの上端にかけられる横架材をさす。

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