日本大百科全書(ニッポニカ) 「第二電電」の意味・わかりやすい解説
第二電電
だいにでんでん
電気通信事業の民間開放によって設立された通信会社。通称、DDI。1984年(昭和59)京セラ社長稲盛和夫(いなもりかずお)(1932―2022)らにより第二電電企画として設立、1985年に第二電電株式会社となった。京セラ、ソニー、ウシオ電機、セコムなど225の株主により、ベンチャー的精神で出発した。デジタル・マイクロウェーブ方式によりネットワークを構築し、1986年に東京・名古屋・大阪を結ぶ専用サービスを、1987年に市外電話サービスを開始した。1992年(平成4)には全国サービス網を完成したが、もっとも低廉な料金の回線に自動的に接続するLCR機能を有したアダプターを半導体チップに集約化した「α‐LCR」の開発が顧客の利便性を高め、同社発展に貢献した。PHS事業の子会社としてDDIポケット電話グループ9社を設立、携帯・自動車電話事業の子会社としてDDIセルラー電話グループ8社を創設したほか、日産自動車などとツーカーセルラー東京および東海を設立した。1997年にDDIセルラー電話グループは、関東、東海地区をエリアとするトヨタ系の日本移動通信(IDO(イドー))との全面提携を発表した。2000年(平成12)10月には、第二電電、KDD(ケイディディ)、日本移動通信の3社が合併し、日本電信電話(NTT)に次いで第2位の通信会社、ディーディーアイが誕生した。なお、ディーディーアイは2001年4月社名をケイディーディーアイに、さらに2002年11月にはKDDIと変更した。合併前の第二電電の資本金726億円(2000)。
[中村青志]