管狐(読み)クダギツネ

精選版 日本国語大辞典 「管狐」の意味・読み・例文・類語

くだ‐ぎつね【管狐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 信濃国長野県飯綱山から出たという想像上の小さな狐。イタチと同じくらいの大きさで、竹管に入り、飯綱使いの問いに答え、予言をしたり種々の霊験を現わしたりするという。くだ。
    1. [初出の実例]「遠州にて、くだ狐の人につく事あり」(出典:随筆・秉穂録(1795‐99)二)
  3. やまね(山鼠)」の異名

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「管狐」の意味・わかりやすい解説

管狐
くだぎつね

おさきぎつね,白ぎつねともいう。狐憑一種。二十日ねずみほどの小さなきつねで,群馬県,長野県,山梨県,愛知県などでいわれる。長野県の飯縄山にすむ雌雄の小ぎつねを捕えて養育し,呪文を唱えるとたちまち細い管に入って人間と問答を始めたという。また一説には京都伏見稲荷に 100夜通い,縄に握り飯を縛りつけてきつねを飼いならし,100夜満願の夜このきつねを連れ帰れば,神変不可思議の術をなしたという。『善庵随筆』によれば,甲斐吉田村富士の神職の家に伝えられる飯綱の像は,きつねに小天狗のまたがったものであったといい,細川清氏,武田信玄などもこの力を信じていたことが記されている。

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