篤疾(読み)トクシツ

デジタル大辞泉 「篤疾」の意味・読み・例文・類語

とく‐しつ【篤疾】

病のあついこと。重病
律令制で規定された身体障害疾病者。廃疾より重い癲狂・両目盲など。調雑徭などが免じられた。

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精選版 日本国語大辞典 「篤疾」の意味・読み・例文・類語

とく‐しつ【篤疾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、重症身体障害者。残疾・廃疾よりも重い障害。これに当たる者は課役を免除される。
    1. [初出の実例]「悪疾。癲狂。二支癈。両目盲。如此之類。皆為篤疾」(出典令義解(718)戸)
  3. 病のあついこと。重病。
    1. [初出の実例]「御弟の允恭天皇いまだ皇子におはしけるとき、ひさしく篤疾に沈み給へりけれども」(出典:十訓抄(1252)一)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐鄧皇后紀〕

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「篤疾」の解説

篤疾
とくしつ

律令制下,疾病などによる身体の障害を程度によって3区分したうち,最も重度の者。戸令には,悪疾(ハンセン病),癲狂(てんきょう),四肢のうち2本が不具,両目盲などが篤疾の例としてあげられている。不課口として課役が全免されたほか,身辺の世話をするための侍丁1人が給された。

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普及版 字通 「篤疾」の読み・字形・画数・意味

【篤疾】とくしつ

重病。

字通「篤」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の篤疾の言及

【蠲免】より

…律令では課役の全部もしくは一部を負担するものを課口(課丁(かてい))とよんだ。課口は一般には良民の成年男子(17歳以上65歳以下)であったが,そのなかでも,皇親と八位以上の者,五位以上の者の子(蔭子(おんし)),中度以上の身体障害者(廃疾(はいしつ)・篤疾(とくしつ))は課役を負担しない不課口とされた。また三位以上の父祖兄弟子孫と五位以上の父子は課役を免除された。…

※「篤疾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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