和風建築の縁には木口縁(こぐちえん)(切目縁(きりめえん))と榑縁(くれえん)とがある。前者は厚板を建物と直角方向に張って板の木口を見せ,後者は板を建物と平行に張ったもので,前者の方が高級である。木口縁の原形は簀の子敷または簀の子縁である。簀の子とは,元来は木材の形状をさすもので,奈良時代から平安時代には方4寸の角材を意味していた。簀の子敷はこれを敷きならべたもので,必ずしも木口を見せるとは限らなかったが,大半は木口縁の形式だった。一方,榑は薄板の意味で,榑縁は木口を見せずに張るのが普通である。《源氏物語絵巻》などに描かれる簀の子縁は角材をならべたものではないが,しだいに厚板を張った縁を簀の子縁と呼ぶようになったのであろう。なお,板と板とは間を少しずつあけて張るのが普通だった。間をあけるのは水はけを良くするためで,現在,台所や流し,浴室などに用いる簀の子は,こうした張り方の形式からきた名称である。
執筆者:清水 擴
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…流水を引きこむことのできない場合は,水を井戸などから運びこんで水甕(みずがめ)や桶(おけ)にたくわえ,別に物洗いの設備を設けた。長崎県対馬地方の農家では,居間のいろりの近くの床に竹の簀の子(すのこ)を敷いて流し場に使っていた。これとよく似た情景が,中世絵巻の《慕帰絵詞(ぼきえことば)》に描かれており,いろり脇の簀の子の上に水桶が置かれている。…
※「簀の子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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