細氷(読み)サイヒョウ

デジタル大辞泉 「細氷」の意味・読み・例文・類語

さい‐ひょう【細氷】

微細な氷の結晶が、大気中をゆっくり降下する現象。非常に温度の低いときに大気中の水蒸気昇華して起こる。日光に輝いて見えるとき、ダイヤモンドダストという。

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精選版 日本国語大辞典 「細氷」の意味・読み・例文・類語

さい‐ひょう【細氷】

〘名〙 ごく小さい氷の結晶が大気中を徐々に下降する現象。氷の結晶が浮遊しているように見え、非常に寒冷な地域に生ずる。ダイヤモンドダスト。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「細氷」の意味・わかりやすい解説

細氷
さいひょう

氷霧(こおりぎり)やダイヤモンド・ダストと同じように細かい氷の結晶が空気中に浮かんでいたり、ゆっくり降下する現象で、極地ではしばしば現れる。日本でも、寒冷地や山岳地方で、風が弱くて氷点下の低い気温のときに発現することがある。観測に際して氷霧と区別する便宜のため、1キロメートル以上の遠方が見える場合を細氷とする。

[篠原武次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「細氷」の意味・わかりやすい解説

細氷
さいひょう
ice prisms

微小な氷の結晶の降水だが,空気中に漂っているようにみえるもの。よく晴れた静穏な日で気温が-10℃未満のときしばしば発生する。低温の上空で水蒸気が昇華して,角柱または角板状の氷の結晶に成長して落下してくる。昼間青空の中で発生すると太陽光を反射してきらきらと輝くため,ダイヤモンド・ダスト diamond dustと呼ばれる。現象がみられることもある。

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百科事典マイペディア 「細氷」の意味・わかりやすい解説

細氷【さいひょう】

ダイヤモンドダストとも。水蒸気が氷晶核に昇華してできた微細な柱状または板状の氷の結晶が,大気中に多数浮遊したり落下する現象。視程が1km未満になると氷霧(こおりぎり)と呼ぶ。高山や大陸内部などで気温が零下十数℃の低温のときに発生,日本では北海道でまれにみられる。

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世界大百科事典(旧版)内の細氷の言及

【氷晶】より

…氷晶が発生する温度からみて,絹雲,絹積雲,絹層雲といった上層の雲や積乱雲の金床状のところは,ほとんどが氷晶からなっていると考えてよい。地上気象観測法では,氷晶が浮かんでいて水平視程が1km以上のときは細氷ice prismsといい,太陽に輝いてキラキラ見えることからダイヤモンド・ダストdiamond dustとも呼ばれる。強度の細氷に過冷却水滴が混在するような場合には水平視程が1km以下になり,このときは氷霧ice fogと呼ばれる。…

※「細氷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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