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細胞説 さいぼうせつcell theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

細胞説
さいぼうせつ
cell theory

M.シュライデンと T.シュワンによって 1839年に唱えられた細胞学上の一つの説。内容的には「生物はすべて細胞でできており,細胞こそは生物の構造と機能の究極単位である」という説。細胞説は生物現象の原理に関する 19世紀の大きな理論として,C.ダーウィンの進化論と並べられている。この説の確立により,原生動物の分類学上の位置が決り,精子や卵子も細胞であることがわかった。 20世紀に入り,組織培養,さらに1個の細胞から出発する細胞培養が可能となり,細胞が生命の単位であるとの考えに実験的支持を与えた。

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百科事典マイペディアの解説

細胞説【さいぼうせつ】

すべての生物体は細胞を単位として構成され,細胞は生物の構造および機能の単位であるという説。1838年シュライデンが植物について,翌年シュワンが動物について同様の説を唱えた。
→関連項目フィルヒョー

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大辞林 第三版の解説

さいぼうせつ【細胞説】

細胞が生物の構造および機能の基本単位であるとする説。シュライデンとシュワンが提唱。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

細胞説
さいぼうせつ

すべての生物の基本的要素が細胞であるとする考え方。細胞はR・フックによってすでに1665年に発見されていたが、細胞が植物にも動物にも共通しており、生物体が細胞および細胞の生成物によって構成されていることを確認したのはシュライデンとシュワンで、それぞれ1838年と翌39年のことであった。この2人はともに細胞膜の重要性を強調し、核は細胞膜から生じると考えた。しかしのちに細胞内部も、その構造や機能が明らかになるにつれて重要性が認識され、基本的な物質という意味で原形質とよばれた。細胞説はその後、精子や卵子が1個の細胞であるという1844年のケリカーの発見や、ウィルヒョーの医学的見地からの研究によって強化発展され、とくにウィルヒョーは55年に「すべての細胞は細胞から」Omnis cellula e cellulaの標語を唱えた。以上のような細胞説の提唱と発展は、19世紀における生物学上のできごととしては、C・ダーウィンの進化論とも比肩しうる重要なものと考えられている。[八杉貞雄]

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世界大百科事典内の細胞説の言及

【顕微鏡】より

…これは1830年代に入ってさらに改良され,46年にはカール・ツァイス社が設立されて,顕微鏡が商品として市場に現れるようになった。このころにはまた,解剖学の組織固定や染色の技術がとり入れられ,組織や細胞レベルの観察研究が飛躍的に発展しはじめ,細胞説(1838,39)の提唱を迎える素地をつくった。このことは,試料作製技術の改良にも拍車をかけ,19世紀後半にはパラフィン切片法,多重染色法,永久プレパラート作製法などが開発され急速に進歩した。…

【細胞学】より

…したがって伝統的な細胞学という呼称は狭義に解釈され,細胞の形態を中心とした学問にあてられることが多い。
[細胞学の成立]
 R.フック(1665),A.レーウェンフック(1674)の細胞の発見から100年以上経て,19世紀の初めになって多くの生物学者がいろいろな生物の細胞を確認するようになり,〈すべての生物は細胞および細胞の生成物からなる〉という細胞説が植物学者のM.J.シュライデン(1838)および動物学者のT.シュワン(1839)によって確立されることになった。 細胞学上の基本的な知見の大部分は,顕微鏡観察技術の進歩によって1870年以後に得られた。…

【シュライデン】より

…はじめは法律を学び弁護士を開業したが,激情的な性格のため成功せず,ピストル自殺を図ったが未遂に終わり,29歳で自然科学へ転向した。1838年《植物発生論》を発表,植物体の構成要素は細胞であり,細胞は独自の生命を有するという考え(細胞説)を明らかにした。彼の細胞説はT.シュワンによって完成されたが,両者とも細胞形成については誤った見解を示した。…

【生物学】より


[近代生物学の確立]
 19世紀は生物学の近代的な枠組みが確立した時期であった。世紀前半にはそれまでの蓄積を総括して細胞説が唱えられ(M.J.シュライデン,1838 ; T.シュワン,1839),キュビエによる比較解剖学と化石研究の確立があった。ラマルクの《動物哲学》と,またこれを否定する形でC.ダーウィンの自然淘汰説(《種の起原》1859)が,進化論を生物学での中心テーマに位置づけた。…

※「細胞説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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