縦隔気腫(読み)じゅうかくきしゅ(英語表記)mediastinal emphysema

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

縦隔気腫
じゅうかくきしゅ
mediastinal emphysema

縦隔に空気が貯留した状態をいう。気管や食道の損傷とか,激しい咳による肺胞の破裂などが原因となる。大量の空気で縦隔内圧が高まると,胸骨下の強い痛みを訴えるほか,しばしば呼吸困難,チアノーゼ,頸動脈怒張などをみる。空気が貯留していること自体は問題ないが,対症的には鎮痛剤の投与や酸素吸入を行い,まれには外科的に内圧の軽減をはかる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

縦隔気腫
じゅうかくきしゅ

縦隔洞内に空気またはガスの貯留した状態をいう。新生児では自発性の縦隔気腫がおこりやすいが、成人では多くの場合、外傷、手術、食道穿孔(せんこう)などにより生じる。通常、胸部や頸部(けいぶ)の皮下気腫を伴うことが多い。症状は、原因と気腫の程度によって異なるが、一般に突然、胸骨後部の不快感、呼吸につれて増強する疼痛(とうつう)、呼吸困難がある。体位変換に際してピチピチと音を感ずることもある。聴診で心拍動と一致してパリパリという雑音を心臓部で聞くことがある。これをハンマン徴候Hamman's signという。空気量が多くて縦隔洞内圧が高まるときは、周囲の軟部組織、とくに静脈系を圧迫して血行障害をおこすことがある。[山口智道]

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世界大百科事典内の縦隔気腫の言及

【縦隔】より

…縦隔は一つの閉鎖された空間とも考えられるため,縦隔腔あるいは縦隔洞とも呼ばれる。心臓,大血管,気管支,食道などを除く縦隔内の病変を縦隔疾患と総称し,おもなものに縦隔炎,縦隔気腫,縦隔腫瘍がある。
[縦隔炎mediastinitis]
 縦隔に発生した炎症。…

※「縦隔気腫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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