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罪と罰 つみとばつPrestuplenie i nakazanie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

罪と罰
つみとばつ
Prestuplenie i nakazanie

ロシアの作家 F.ドストエフスキー長編小説。 1866年発表。殺人を犯した大学生ラスコーリニコフが,娼婦ソーニャのキリスト教的愛と献身によって新生する。全世界を感動させた作品。日本では 1892~93年内田魯庵が初めて英訳本から翻訳。 1915年中村白葉ロシア語からの直接訳が出て広く親しまれた。

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デジタル大辞泉の解説

つみとばつ【罪と罰】

《原題、〈ロシア〉Prestuplenie i nakazanieドストエフスキーの長編小説。1866年刊。貧しい大学生ラスコーリニコフは、選ばれた強者は凡人のための法を無視する権利があるという超人の思想から金貸しの老婆を殺すが、罪の意識にさいなまれ、自己犠牲に生きる娼婦(しょうふ)ソーニャのすすめで自首する。キリスト教的愛の思想と人間回復への痛切な願望とをこめた作品。

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百科事典マイペディアの解説

罪と罰【つみとばつ】

ドストエフスキーの小説。《Prestuplenie i nakazanie》。1866年作。理念のために殺人を犯す大学生ラスコーリニコフを主人公に,彼の孤独な反逆の敗北,理性と心情の分裂を描きながら,閉塞(へいそく)した社会状況の中での人間回復への願望を訴えた傑作。
→関連項目リュビーモフ

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デジタル大辞泉プラスの解説

罪と罰

日本のポピュラー音楽。歌は女性シンガーソングライター、椎名林檎。2000年発売。

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世界大百科事典 第2版の解説

つみとばつ【罪と罰 Prestuplenie i nakazanie】

ロシアの作家ドストエフスキーの長編小説(1866)。〈生きとし生けるもの〉の世界からの強い隔絶感にとらえられた青年ラスコーリニコフが,破壊欲に誘われて金貸の老婆とその妹を斧で殺す。警察の心理的追及と娼婦ソーニャの同情の圧力に押されて,彼は自首し,シベリアで懲役刑に服する。そこで,苦しい隔絶感が消えて,神の体としての世界との共感が回復しはじめる。以上のラスコーリニコフの〈心理報告〉と〈酔いどれマルメラードフの物語とが合体して小説《罪と罰》はできている。

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大辞林 第三版の解説

つみとばつ【罪と罰】

ドストエフスキーの長編小説。1866年刊。貧しい学生ラスコーリニコフは、非凡人には犯罪さえも許されるとの観念をいだき、金貸しの老婆とその妹を殺すが、予期せぬ孤絶感に脅かされ、娼婦ソーニャのキリスト教的愛に触れて自首をし、流刑地シベリアに赴く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

罪と罰
つみとばつ
Преступление и наказание Prestuplenie i nakazanie 

ロシアの作家ドストエフスキーの長編小説。1866年『ロシア報知』誌に発表。世界文学の最高傑作の一つ。近代都市の様相を帯び、作中に登場する小官吏マルメラードフのいうような「どこへも行き場のない」人々にあふれるペテルブルグの裏町が舞台である。
 貧乏学生ラスコーリニコフは病的な思索のなかで、ナポレオン的な選ばれた強者は人類のために社会の道徳律を踏み越える権利をもつとの結論に達し、「しらみ」のような金貸しの老婆を殺すことでこの思想を実践に移す。だがこの行為は、思いがけず罪の意識におびえ「人類との断絶感」に苦しむ惨めな自分を発見させる。敏腕の予審判事ポルフィリーの嫌疑には論理的に立ち向かいながらも、罪の重荷に耐えきれなくなった彼の心情は、自己犠牲と苦悩に徹して生きる「聖なる娼婦(しょうふ)」ソーニャを罪の告白の相手に選び、また情欲を絶対化する背徳者スビドリガイロフの謎(なぞ)めいた生と死に自己の理論の醜悪な投影をみて、ついに自首を決意し、シベリアに送られる。
 作者はキリスト教的信仰の立場から西欧合理主義、革命思想を断罪しようとしたかにみえるが、作品はそうした意図を超えて、時代の閉塞(へいそく)状況のなかでくすぶる人間回復への願望を訴えるヒューマニズムの書となっており、また「魂のリアリズム」とよばれるこの作家独自の方法は、犯罪を媒介にこの小説を人間存在の根本への問いかけとした。
 全編が精密なからくり装置にも例えられる構造をもち、神話、フォークロア、古今の文学が文体を通して一つの作品に反映されるみごとさは、この作品を近代小説形式の最高の達成ともしている。[江川 卓]
『江川卓訳『罪と罰』(『世界文学全集37』1977・学習研究社) ▽米川正夫訳『罪と罰』(新潮文庫) ▽江川卓著『謎とき「罪と罰」』(1986・新潮社)』

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