改訂新版 世界大百科事典 「羅州」の意味・わかりやすい解説
羅州 (らしゅう)
(R)Naju
韓国,全羅南道栄山江中流の都市。人口11万6322(1995)。1981年,羅州郡の中心部が栄山浦と合併して錦城市となったが,86年市名を羅州市と改め,95年羅州市が羅州郡を合併した。全羅道という地名は,全羅北道の中心地全州と,この羅州とをあわせたものである。錦城市の名は市の東方にある錦城山にちなんだもの。栄山浦は古来栄山江水運の中心として栄え,羅州平野が生みだす米,蚕糸,綿花などの豊かな農産物を背景に羅州は全羅南道の行政中心地としても栄え,木浦,海南など南海岸地方への街道の分岐点をなした。1895年,13道制の実施とともに道庁所在地が光州に移された。羅州梨は有名で,植民地時代には日本人地主による果樹園などの経営も行われた。解放後は缶詰などの農産物加工業や化学肥料工場やその関連工業も発展している。
執筆者:鶴園 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報