全身的な健康美、身体美をつくることが目的で、組織的に構成された身体運動をいう。普通、1日3分から長くても10分程度の時間内に、日ごろ使わない筋肉の運動を、リズミカルにそして継続的に行うことによって新陳代謝を高め、余分な脂肪分をとり、筋肉の均整化を図り、全身の機能を盛んにするとされ、多くの人々に行われている。
英語ではカリステニクスcalisthenicsとよばれ、欧米で第一次世界大戦後普及したが、これには女性の職場進出が大きな引き金となった。それまでは家庭中心で、静的、受動的立場にあった女性が、大きく変革したということである。これはコスチュームでのコルセットからの解放、ヘアスタイルでのショート・ヘアやボブを中心とする断髪といった変化などと共通する現象として現れている。
日本では第二次世界大戦後のアメリカの影響による、女性の社会的地位の向上、テレビを中心としたマスコミの普及も手伝って、1950年(昭和25)ごろから登場し、54年には「美容体操」のタイトルでNHKが放映を開始、急速にこのことばも広まった。現在では、「美容体操」という総体的な呼称はむしろ敬遠されており、美容体操の目的に適合した個々の呼び名で、各人の好みで選択されるようになった。その方法や名称も多岐にわたり、次々と新しいものを生み出している。健康体操、ジャズ・ダンス、ヨーガ、太極拳(けん)、ストレッチング体操、ジャギー、エアロビクス体操など、ときにファッション性を反映する方法も加わり、愛好者を増大させている。
[横田敏一]
体操は均整のとれた身体をつくること,日常生活から影響を受ける悪い姿勢を矯正し正しく美しいフォームを保つこと,合理的な動き方を身につけ美しく活発に諸動作を行うことなどを主たるねらいとしている。これらは人間を美しく見せる要素でもあり,美容としての役割を十分そなえているともいえる。しかし一般に美容体操として取りあげられている内容は容姿を主体として考えられ,やせるとか太るとかを基点に種々の方法を組み合わせるのであるが,生理的原則からしてこの点はかなりの困難が伴い,体操の効果よりは栄養によって影響を受ける分が大きいとされている。日本では,1954年にNHKが美容体操の名でテレビ放送を始め一般化した。英語ではcalisthenicsに相当するが,元来この語は19世紀イギリスの女子寄宿学校での女性向き体操のことで,現在の体操競技の女子床運動(音楽伴奏付きのリズミカルな運動)の別称としても用いられている。
執筆者:青山 敏彦
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