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太極拳 たいきょくけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

太極拳
たいきょくけん

中国の伝統武術。柔軟な動作が老人,虚弱者の鍛練に適しているので,日本でも広く健康法として人気がある。特に高血圧,心臓病,慢性気管支炎などの慢性病に対し,治療と予防の効果があるといわれる。いくつかの流派があり,それぞれに特色を有するが,以下の5派に大別される。 (1) 陳式太極拳 創始者・陳王廷 (明末清初) 。 (2) 楊式太極拳 創始者・楊露禅 (1800~73) 。 (3) 武式太極拳 創始者・武禹襄 (1812~80) 。 (4) 孫式太極拳 創始者・孫禄堂 (1861~1932) 。 (5) 呉式太極拳 創始者・呉鑑泉 (1870~1942) 。なお近年は,伝統的な太極拳を改編した「簡化太極拳」がつくられている。

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知恵蔵の解説

太極拳

中国武術の1つ。その起源は数千年前に遡るといわれ、伸びやかで大きく、ゆったりとした動作が特徴。やわらかい動きで相手の力を外し、そのバランスを崩して倒す。日本では1970年頃から、健康法として普及。愛好者は100万人といわれる。伝統的な太極拳には陳式、楊式、呉式、孫式などがあり、現在は広く普及するために定められた規定太極拳(24式、48式、88式)が最も広く行われている。競技用には総合太極拳(42式)が定められている。国際大会は5分以上6分以内の演武で、姿勢と動作の正しさ、精神の表現などについて5人の審判員が10点満点で採点。

(安藤嘉浩 朝日新聞記者 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

たいきょく‐けん【太極拳】

中国で、明代末から清代初ごろに始められたという拳法。円を描くようなゆっくりした動作を深呼吸に合わせて行うのが特徴で、現在では武術としてよりも健康法として中国政府が奨励している。

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百科事典マイペディアの解説

太極拳【たいきょくけん】

中国武術の一つ。武術太極拳として行われると同時に,医療体操,健身術としても行われる。〈拳〉は武器を用いないで素手で闘う格闘技をさす。創始者については諸説があるが,明末・清初の武術家陳王廷(河南省温県陳家溝)とするもの,温県小留村の蒋発とするもの,山西省の王宗岳とするもの,道家が気功法を利用してつくったとするものなどがその主なものである。
→関連項目アジア競技大会体操

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世界大百科事典 第2版の解説

たいきょくけん【太極拳】

中国武術の一つ。医療体操・健身術としても行われる。〈拳〉は武器を使わない格闘技をさす。創始者についてはいくつか説があり,明末・清初の武術家,阿南省温県陳家溝の陳王廷とするもの,温県小留村の蔣発とするもの,あるいは山西省の王宗岳とするもの,道家が気功法を利用してつくったとするものなどがある。太極拳には,古典の太極陰陽学説,東洋医学の経路理論,養生法の導引・吐納がとり入れられており,王宗岳の《太極拳論》が基本的理論書となったことから,太極拳という名称が確立した。

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大辞林 第三版の解説

たいきょくけん【太極拳】

中国、宋代に始まる拳法。気を重視し、ゆるやかに円弧を描くような四肢の動きを中心とするもの。現代では、武術としてよりも健康法として行われることが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

太極拳
たいきょくけん / タイチーチュワン

太極拳は、中国の明(みん)朝末から清(しん)朝初のころ(17世紀)に、河南省に居住する陳(ちん)姓の一族の間で創始された拳法の一種(陳式太極拳)である。その変幻無窮の技法を、古代思想の「太極説」(陰陽理論)によって説き、拳法の名称としたのである。
 陳式太極拳には、大架(だいか)(架は姿勢・動作)と小架、老架(古伝の型)と新架(新しい型)の種類があり、のちに楊(よう)式、呉(ご)式、武(ぶ)式((かく)式)、孫(そん)式などを派生した。
 各派の太極拳は80前後の技法動作が連結されている拳法の型(套路(とうろ))であり、源流の陳式を除き、一様にゆっくりとした深長呼吸にあわせて、緩やかに円形運動を行うのが大きな特徴であり、意識・呼吸・動作の協調運動である。
 源流の陳式は、本来、実戦武術として考案されたものであり、柔軟で緩やかな動作のなかに、激しく力強い動作を含み、円形動作には螺旋(らせん)状のひねり(纏絲(てんし))を伴い、打撃には発勁動作(瞬発力を打ち出す)のが特徴である。
 太極拳は、治病と健身に効果が認められることから、近年では健康法として多くの人に行われ、1956年に中国の国家体育運動委員会は、もっとも広く普及している楊式太極拳の型を縮小(重複動作を省略)し、動作を左右均等にした簡化(かんか)太極拳を制定し、「治病健身体操」として国民に奨励している。[松田隆智]

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世界大百科事典内の太極拳の言及

【拳法】より

…また拳法を技の性質からみると,内家(ないか)拳と外家(がいか)拳に区別できる。内家拳とはその威力が内に隠れている拳法のことで,柔拳ともいい,太極拳,形意拳,八卦掌(はつけしよう)などがある。力を抜いて体を柔らかくし,動作も呼吸と合わせて緩慢に行う。…

※「太極拳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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