耽美派(読み)タンビハ

デジタル大辞泉 「耽美派」の意味・読み・例文・類語

たんび‐は【×耽美派】

耽美主義を奉じる一派唯美派

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精選版 日本国語大辞典 「耽美派」の意味・読み・例文・類語

たんび‐は【耽美派】

  1. 〘 名詞 〙 耽美主義をおし進めた芸術上の人々。フランスのボードレールイギリスペーターワイルドなどを代表とする。日本では、明治末期に森鴎外上田敏などによって紹介・先導され、雑誌「スバル」「三田文学」や第二次「新思潮」を拠点に、北原白秋木下杢太郎永井荷風谷崎潤一郎などによって継承推進され、芸術上の開花を見た。唯美派。〔訂正増補新らしい言葉字引(1919)〕

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旺文社日本史事典 三訂版 「耽美派」の解説

耽美派
たんびは

美を人生の最高の価値とし,美の享受と創造をめざした文学の流派
唯美 (ゆいび) 派ともいう。自然主義に対立しておこり,明治末期〜大正初期にかけて文壇主流となる。北原白秋・吉井勇・木下杢太郎ら雑誌『スバル』系統の人びと(スバル派),永井荷風・久保田万太郎水上滝太郎・佐藤春夫ら雑誌『三田文学』系統の人びと,さらに『新思潮』系統の谷崎潤一郎・小山内薫 (おさないかおる) らが属した。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「耽美派」の解説

耽美派
たんびは

明治末~大正期に勢力をもった文芸思潮。自然主義文学の現実志向に対し,美に最高の価値をおく。文体の華麗さや虚構性・感覚重視などが特徴。ボードレール,ワイルドなどの西欧世紀末思潮を背景に,官能性の偏愛やデカダンスへの傾斜をみせる。森鴎外・上田敏を理論的支柱とし,「三田文学」による永井荷風や,パンの会の木下杢太郎・北原白秋などが広範なジャンルにわたって活躍した。谷崎潤一郎も代表作家。

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世界大百科事典(旧版)内の耽美派の言及

【詩】より

…同年三木露風が《廃園》を出し,白露時代と並称された。北原白秋,木下杢太郎ら耽美派とよばれる詩人たちは《スバル》に拠って自然主義運動のあとに来るべき文学・芸術上の新思潮を準備した。《スバル》は指導者に森鷗外を仰ぎ,石川啄木,吉井勇その他多くの新進詩人,作家,劇作家らを擁した。…

※「耽美派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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