コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

聖史劇 せいしげき mystery play

翻訳|mystery play

4件 の用語解説(聖史劇の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

聖史劇
せいしげき
mystery play

神秘劇。中世宗教劇の一種。奇跡劇が聖人の生涯やその行なった奇跡を題材とするのに対して,聖史劇は聖書の物語を劇化したもの。「天地創造」から「最後の審判」までの聖書の物語をテーマとする。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

せいし‐げき【聖史劇】

《〈フランスmystère》15世紀のフランスを中心に、中世末期の欧州で流行した宗教劇。旧約新約聖書に取材し、キリストの生誕・受難・復活の物語を主題としたもの。町の広場で数日間にわたって上演された。神秘劇。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版の解説

せいしげき【聖史劇】

中世末期、ヨーロッパに流行した宗教劇。キリストの生誕・受難・復活などを劇に仕組んだもの。初めは教会内で行われたが、やがて街の広場で上演されるようになった。神秘劇。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

聖史劇
せいしげき
mystery play英語
mystreフランス語
sacre rappresentazioneイタリア語

中世ヨーロッパの宗教劇の一種。聖典劇ともいう。聖書のキリスト受難の物語を題材にしたもので、内容・形式ともに受難劇(パッション)と共通するところが多く、とくにドイツ語圏ではもっぱら受難劇がこれにあたる。従来は語源上の誤読から神秘劇と訳されていたが、近年ラテン語のミニステリウムministerium(聖務)に由来することが明らかになり、この訳語が定着した。物語の展開や上演様式は地方によってさまざまであるが、普通、各種の同業組合(ギルド)によって構成された俳優たちにより、町の広場に組まれた多くの並列舞台(マンション)で数日間にわたって上演された。とくにフランスでは大仕掛けなものが好まれ、なかには40日に及ぶものもあった。聖史劇は14~15世紀を頂点に各地で流行したが、16世紀になると同業組合の衰退や教会内部の対立などから姿を消し、次のルネサンス・バロック演劇に引き継がれた。[大島 勉]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の聖史劇の言及

【詩劇】より

…演劇の母体が祈禱(朗誦)や舞踊を伴った宗教的祭儀,つまりリズミカルな音声言語の語られる場にあったことを思えば,これは当然といえよう。ディオニュソス祭儀に由来するギリシア悲劇(ギリシア演劇)も,中世キリスト教会の神事の展開としての聖史劇,秘跡劇も,そして寺社に所属して祭礼のおりに芸を演じた猿楽師たちの後身である観阿弥,世阿弥の能も,すべて詩劇である。散文が演劇の主たる言語になるのは,西欧近代以後のことである。…

【宗教劇】より

…古来,演劇は宗教,あるいは宗教的・祭儀的なものと密接に結びついており,古代ギリシア演劇はいうまでもなく,インドのサンスクリット古典劇(インド演劇)にせよ,あるいは日本のにせよ,濃厚に宗教的・祭儀的色彩を帯びるものであったし,この内在的伝統は今日もなお何らかの形で生き続けていると考えることができるだろう。だが演劇史的にみて,そのような〈宗教性〉を帯びた演劇が最も直接的・典型的な形で隆盛となったのは,中世ヨーロッパにおけるさまざまなキリスト教劇(典礼劇,受難劇,聖史劇,神秘劇,奇跡劇など)の場合であり,今日,〈宗教劇〉という語が用いられる場合に,固有名詞的にこれらを総称していうのが普通である。 中世ヨーロッパにおけるキリスト教宗教劇は,概括していえば,イエス・キリストの生誕,受難,復活などのそれぞれの場面や,それら場面の連続,あるいはその生涯の全体,また,使徒や聖者の言行,さらには旧約聖書中の物語,エピソードなどを劇化したものであるが,それはもともと,10世紀初めころに,復活祭典礼の交誦(こうしよう)tropusから発生したといわれている。…

【フランス演劇】より


【中世――宗教劇と世俗劇】
 中世フランスは,ヨーロッパの中でも,宗教劇・世俗劇ともに隆盛を見た地域だった。宗教劇は,10世紀にキリスト降誕祭と復活祭の典礼にラテン語による対話を加えた教会堂内での典礼劇に始まり,12世紀後半のフランス語のみによる準典礼劇(《アダンの劇》等)を経て,13世紀には北フランスのアラスに代表される新興商工業都市の,町民階級自身の知識人による風俗劇的要素の濃い劇作術を生み(《アラスのクルトア》,J.ボデル《聖ニコラ劇》,リュトブフ《テオフィルの奇跡劇》等),最後に,14世紀以降,16世紀中葉を絶頂とする〈聖史劇(ミステールmystère)〉に結実する。ゴシック時代の都市を挙げての一大祝典劇であるこれら大聖史劇は,受難信仰とともに〈受難劇(パッシヨンpassion)〉として,次いでパリを中心にした聖母信仰の隆盛とともに〈聖母奇跡劇miracle de Notre‐Dame〉として流行し,ともに専門の上演組合をもち,1402年には最初の常設劇場さえできた。…

【労働】より

…そして第3にギルドは宗教上の連帯の組織であった。イギリスの中世都市で,イースターやクリスマスの聖なる行事である聖史劇は,教会の行事としてではなく都市の行事として,ギルドによって上演されるのが常であり,各ギルドごとに劇の種類や幕の持分が決まっていたというような事実は,ギルドにおける職業生活と市民生活と宗教生活との重なり合いの一端をうかがわせるものである。 この時期,労働がつらくなかったわけではなく,また固有の身分秩序にもとづく徒弟労働の搾取など独特の問題がなかったわけでもない。…

※「聖史劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

聖史劇の関連キーワード奇跡劇中世都市ドプシュマヨリカ慈しむ組町町人捌き切銀車懸かりブルー・マンデー

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

聖史劇の関連情報