胡麻点(読み)ゴマテン

デジタル大辞泉 「胡麻点」の意味・読み・例文・類語

ごま‐てん【×胡麻点】

謡い物語り物または声明しょうみょうなどの文のわきにつけ、節の高低などを示す符号黒ゴマのような形をしたもの。節博士ふしはかせ
読点とうてん」に同じ。
傍点ぼうてん」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「胡麻点」の意味・読み・例文・類語

ごま‐てん【胡麻点】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形がクロゴマに似ているところから )
  2. 謡物文句の傍につけた、曲節を明らかにするための点。ふしはかせ。墨譜(ぼくふ)胡麻節
  3. 語句文章断続を明らかにして読み易くするためにつけた点。読点(とうてん)
  4. 強調したり注意を向けさせるために、その文字や語句の傍につける点。傍点
    1. [初出の実例]「傍点(ゴマに似ているのでゴマ点ともいう)」(出典:校正ハンドブック(1958)〈戸台俊一〉校正の基礎)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胡麻点」の意味・わかりやすい解説

胡麻点
ごまてん

日本音楽の声楽の記譜。声明催馬楽朗詠などに用いられていた線画の博士 (はかせ。墨譜) に対して,その比較的単純化したものをいう。形がごまに似ているためこの名があり,胡麻符ともいう。すでに声明のなかでも「講式」などの記譜は胡麻点に近いが,謡曲および浄瑠璃では,特に歌詞の右側だけに記すことが固定した。謡曲では,平胡麻,上がり胡麻,下がり胡麻の3型が基本で,1つの胡麻点を1シラブルにあてるのを原則とする。現在では地拍子の単位を示し,高さについては,別の符号が添えられる。浄瑠璃では,「黒朱」ともいい,「あがる」「さがる」などの単純なもの以外に,「もつ」「はしる」「のむ」「ゆる」「まわす」などの複雑なものもある。

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