至りて(読み)イタリテ

デジタル大辞泉 「至りて」の意味・読み・例文・類語

いたり‐て【至りて】

[副]程度のはなはだしいさま。非常に。いたって。
「―愚かなる人は、たまたま賢なる人を見てこれを憎む」〈徒然・八五〉
[類語]至って迚も非常大層大変極めてはなはすこぶ至極しごくごくいとも実にまことに大いにいたく・ひどく・恐ろしくすごくものすごく滅法めっぽう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「至りて」の意味・読み・例文・類語

いたり‐て【至て】

  1. 〘 副詞 〙 ( 動詞「いたる(至)」の連用形に、助詞「て」が付いて一語化したもの。程度の甚だしいさまを表わす ) とても。非常に。まったく。
    1. [初出の実例]「至(いたりテ)(きよ)く仏の御法を継ぎ隆(ひろめ)むと」(出典続日本紀‐天平宝字八年(764)九月二〇日・宣命)
    2. 「しかれども慈悲いたりて深きが故に」(出典:古今著聞集(1254)二)

至りての語誌

漢文訓読特有語で、和文系の「いと」に対応する。後に音便形の「いたって」が使われるようになる。

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