臼砲(読み)キュウホウ

デジタル大辞泉 「臼砲」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐ほう〔キウハウ〕【臼砲】

口径に比して砲身が短く、射角が大きい火砲。

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精選版 日本国語大辞典 「臼砲」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐ほうキウハウ【臼砲】

  1. 〘 名詞 〙 大砲一つ。砲身が口径に比べて短く、射角の大きい近距離用火砲。弾道が湾曲し、城塞などを攻撃するのに用いる。
    1. [初出の実例]「長門藩 分捕覚〈略〉六斤砲 二挺 臼砲 四挺」(出典:太政官日誌‐明治二年(1869)六月三〇日)

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百科事典マイペディア 「臼砲」の意味・わかりやすい解説

臼砲【きゅうほう】

砲身長が口径の12〜13倍以下の短い火砲。弾丸初速は小さく,大重量の弾丸を用いて,大きな射角で近距離射撃を主とする。援護物内の人馬殺傷,掩蔽(えんぺい)陣地要塞(ようさい)の破壊などを目的とし,用途により要塞砲攻城砲迫撃砲などに区別される。重砲発達により姿を消した。
→関連項目曲射砲大砲榴弾砲

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臼砲」の意味・わかりやすい解説

臼砲
きゅうほう
mortar

初速が小さく,砲身に大きな射角を与えて,近距離射撃を行う曲射砲。大重量の弾丸は曲射弾道をとって発射される。大型のものは中世以来要塞攻撃に使用されてきた。携帯可能なものは 20世紀の標準的な歩兵兵器として,特に塹壕山地で用いられる。用途によって要塞砲,攻城砲,迫撃砲などに分れる。

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世界大百科事典(旧版)内の臼砲の言及

【大砲】より

…17~18世紀には大砲の構造の統一・画一化が推進された。この時期に山砲,野砲,要塞砲等の使用目的による区別が生まれ,砲身長と弾道に応じてカノン(加農),榴弾,臼砲の基本的分類がはじめてなされた(図2)。19世紀後半になって,14世紀以来の弾丸を砲口から装塡する前装式滑腔砲から後送式旋条砲に改革された。…

※「臼砲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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