若草山(読み)ワカクサヤマ

デジタル大辞泉 「若草山」の意味・読み・例文・類語

わかくさ‐やま【若草山/嫩草山】

奈良市春日山かすがやまの北にある山。標高342メートル。全山芝に覆われて3層の斜面をなし、毎年1月に山焼きが行われる。三笠山ともいうが、古歌の三笠山とは別。→三笠山

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日本歴史地名大系 「若草山」の解説

若草山
わかくさやま

東大寺の東にある三層の芝草山で、嫩草わかくさ山とも書く。標高三四一・八メートル。もとは葛尾つづらお山といわれた。近世にはこの山を俗に三笠みかさ山といったので一時両者が混同されてわかりにくくなっていた。

興福寺流記(興福寺蔵写本)によると、興福寺と東大寺との境界線は、二条大路南小路で、この小路が春日山の「黒葛中尾」(葛尾山、すなわち若草山)に登る道だという。現在、この山は樹木がほとんど茂らない状態であるが、もとからこのようになっていたのではなく、本来は樹木の茂った山であったらしい(東大寺山堺四至図)

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改訂新版 世界大百科事典 「若草山」の意味・わかりやすい解説

若草山 (わかくさやま)

奈良県奈良市東部,東大寺の東にある山。標高342m。嫩草山とも書く。全山が芝草でおおわれ,山容が三重になっているため俗に三笠山と呼ばれ,南にある春日山の一峰御蓋(みかさ)山(三笠山)と混同されることが多かった。三笠火山群に属し,凝灰岩の間に安山岩が噴出,のち浸食をうけた二次的な溶岩丘で,奈良盆地を一望のもとに見下ろす山頂には鶯塚古墳(史)がある。全長約103mの前方後円墳で,能因本《枕草子》にみえる〈うぐひすのみささぎ〉にあてる伝えがあった。毎年1月15日に行われる山焼きは,奈良の代表的な年中行事として著名。15日夕刻,東大寺,興福寺の僧が山麓の野山神社で祭儀を行ったのち,春日の神火を松明(たいまつ)に移して山の四周から火を放つ。両寺の境界争いに端を発する行事との伝えもあるが,若草の萌(も)えるのを促す春先の枯草焼きの風習ともいう。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「若草山」の意味・わかりやすい解説

若草山
わかくさやま

奈良市の市街地東部にある山。嫩草山(わかくさやま)とも書く。奈良公園の一部で、標高342メートル。地質は三笠(みかさ)山安山岩(両輝石安山岩)であるが、旧火山ではなく侵食から残った火山岩丘である。全山美しい芝で覆われた三層の斜面をなし、かつて三笠山と混同された。頂上には国指定の史跡鶯塚(うぐいすづか)古墳がある。頂上からは四周の青垣山や奈良盆地、遠く吉野連山、山城(やましろ)盆地などを一望できる。毎年1月15日の山焼きは東大寺と興福寺の境界争いに始まる行事ともいい、午後6時、若草山麓(ろく)に火がつけられる。古都の夜空を焦がす奈良の代表的な年中行事の一つ。

[菊地一郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「若草山」の意味・わかりやすい解説

若草山
わかくさやま

奈良県奈良市北東郊にある山。嫩草山とも書く。標高 342m。山体は三笠山安山岩からなり,全山がシバに覆われたなだらかな山で,山頂から奈良市街が望める。奈良公園に含まれ,山頂には前方後円墳の鶯塚古墳(国指定史跡),西麓には手向山八幡,東大寺二月堂,法華堂(三月堂)などがある。毎年 1月15日に「山焼き」が行なわれる。俗に三笠山ともいわれているが,正しくは三笠山とは,南方にある御蓋山をさす。

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百科事典マイペディア 「若草山」の意味・わかりやすい解説

若草山【わかくさやま】

奈良県奈良市街の東部にある山。標高342m。山容から俗に三笠山と呼ばれるが,春日山の一峰三笠山(御蓋山)とは別。奈良公園の一部で,毎年1月の山焼きは有名。山頂に前方後円墳の鶯(うぐいす)塚古墳(史跡)がある。

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事典 日本の地域遺産 「若草山」の解説

若草山

(奈良県奈良市)
日本夜景遺産」指定の地域遺産。
3つの笠(山)を重ねたような形状から別名「三笠山」。三重目の山頂(標高342m)展望台からは、生駒山背景に奈良市街の夜景を鑑賞でき、「新日本三大夜景」の1つに数えられる

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