日本夜景遺産(読み)にほんやけいいさん

事典 日本の地域遺産 「日本夜景遺産」の解説

日本夜景遺産

「日本夜景遺産」は、日本各地に埋もれている美しい夜景の再発見と発掘し紹介することで、観光資源としての夜景の存在をアピールすることを目的としている。〔認定基準〕「日本夜景遺産」に認定について、以下の8つの基準が設けられている。(1)特有の芸術的価値を抱く夜景であること。夜景の景観的特徴により、芸術的レベルが高く、美しく魅力的な夜景であること。(2)所在する都市、市町村の文化的、景観的特徴が生きた(土地柄が表れた)夜景であること。(3)所在する都市や市町村に対して、文化的に大きな影響を及ぼしている夜景であること。(4)観光対象として、他の地域の人々にも大いなる興味、関心を彷彿させる夜景であること。(5)夜景地(夜景鑑賞地)として、他の優れた見本になること。(6)夜景地(夜景鑑賞地)として、照明、ファザード等、鑑賞環境が整備されていること。(7)夜景地(夜景鑑賞地)の安全はもちろん、全ての人々が楽しめる夜景地であること。(8)夜景地(夜景鑑賞地)として、利便性に問題がないこと(夜景地へのアクセス状況等)。
[選定機関] 日本夜景遺産事務局
[選定時期] 2004(平成16)年~
[登録・認定名] 藻岩山 | 幌見峠展望駐車場 | 函館山 | 毛無山 | 天狗山 | 測量山 | 釜臥山 | 岩山公園 | 西蔵王公園 | 信夫山公園 | 太平山 | 太田山公園展望台 | 海ほたるPA | 飯岡刑部岬 | お台場海浜公園 | みなとみらい21地区 | 港の見える丘公園 | 山下公園 | 湘南平 | 弥彦山スカイライン | 呉羽山 | 二上山万葉ライン | 卯辰山公園・望湖台 | 村国山 | 笛吹川フルーツ公園 | 櫛形山見晴らし平 | 立石公園 | 諏訪湖サービスエリア | 姨捨サービスエリア | 姨捨駅 | 金華山 | 池田山 | 富士川サービスエリア | 伊豆スカイライン | 蔵王山展望台 | 伊勢志摩スカイライン | 比叡山ドライブウェイ | 奥比叡ドライブウェイ | 将軍塚・東山山頂公園 | 万灯呂山展望台 | 大内峠一字観公園 | 五月山 | 摩耶山・掬星台 | 鉢巻展望台 | 六甲山・天覧台 | 六甲ガーデンテラス | メリケンパーク&モザイクガーデン | ポートアイランド北公園 | ポーアイしおさい公園 | ビーナスブリッジ | 伊丹スカイパーク | 道の駅あわじ | 若草山 | 信貴生駒スカイライン | 鷲ヶ峰コスモスパーク | 道の駅はわい | 鷲羽山 | 灰が峰 | 千光寺公園 | 火の山公園 | 晴海親水公園 | 竜王山公園 | 眉山 | 日峯大神子広域公園 | 屋島獅子の霊巌 | 天使のすむ丘/サンアンジェリーナ展望台 | 具定展望台 | 五台山公園 | 皿倉山 | 油山 片江展望台 | 稲佐山 | 鍋冠山 | 弓張岳展望台 | 十文字原展望台 | 湯けむり展望台 | 愛宕山公園 | 城山展望台 | 嘉数高台公園 | エメラルドの海が見える展望台 | JRタワー展望室T38 | 札幌テレビ塔 | 観光物産館アスパム | セリオン | SS30 | 千葉ポートタワー | アイ・リンクタウン展望施設 | 東京タワー展望台 | 六本木ヒルズ展望台「東京シティビュー」 | 東京スカイデッキ | 貿易センタービル展望台「シーサイド・トップ」 | テレコムセンター展望台 | サンシャイン60展望台 | 横浜ランドマークタワー「スカイガーデン」 | 横浜港大さん橋国際客船ターミナル | 江ノ島展望灯台 | Befcoばかうけ展望室(朱鷺メッセ展望室) | クロスランドタワー | 岐阜シティ・タワー43 | 東山スカイタワー | ツインアーチ138 | 通天閣 | 大阪府咲洲庁舎展望台 | 空中庭園展望台 | 自然体感展望台 六甲枝垂れ | 海峡ゆめタワー | ゴールドタワー | 福岡タワー展望台 | 門司港レトロ展望台 | グローバルタワー | さっぽろホワイトイルミネーション | 小樽運河 | 白鳥大橋 | SENDAI光のページェント | あしかがフラワーパーク | 奥日光湯元温泉 雪まつり | 東京ドイツ村・ウインターイルミネーション | 東京駅 | 国会議事堂 | レインボーブリッジ | 横浜ベイブリッジ | 浅草寺 | 国営昭和記念公園 ウインタービスタイルミネーション | 横浜赤レンガパーク | 神奈川県庁本庁舎「キング」 | 横浜税関「クィーン」 | 横浜市開港記念会館「ジャック」 | 松本城 | ラグーナ ウインター イルミネーション | 電照菊 | 京都タワー | OSAKA光のルネサンス | 神戸ポートタワー | 明石海峡大橋 | 姫路城 | ライトアッププロムナード・なら | 天満橋・天神橋・難波橋(浪華三大橋ライトアップ) | ひろしまドリミネーション | 厳島神社 | 関門橋 | 瀬戸大橋/瀬戸大橋記念公園 | 小倉イルミネーション | 長崎ランタンフェスティバル | ハウステンボス ウィンターイルミネーション | 土谷棚田の火祭り | 教会イルミネーション | 熊本城 | 阿蘇ファームランド 星のイルミネーション | 青森ねぶた祭 | 八戸三社大祭 | 仙台七夕祭り | 石巻川開き祭り | 秋田竿燈まつり | 花輪ばやし | 西馬音内盆踊り | 新庄まつり | 松明あかし | ちょうちん祭り | 光輝く氷のぼんぼりとかまくら祭 | 秩父夜祭 | 長良川鵜飼

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

知恵蔵 「日本夜景遺産」の解説

日本夜景遺産

「日本夜景遺産事務局」という名称の団体が認定した、優れた普遍的価値を持ち、誰もが楽しめる日本国内の夜景観賞地のこと。2013年現在全国175カ所の夜景が認定されている。同事務局によると、「日本各地に埋もれている美夜景を再発見&発掘し、一定の価値を付与することで観光資源としての成立を目指し、認定された夜景の価値を内外に訴求する」ことを活動目的とし、観光資源としての新たなブランド構築を目指しているとのこと。
「日本夜景遺産事務局」は、「世界初の夜景評論家」である丸々もとお氏を事務局長とする非営利団体として活動。丸々氏はデザイン会社である有限会社マルタアドバタイジングに所属し、夜景に関する講演、著述なども行っている。同社は『日本夜景遺産』(ニッポンヤケーイサン、ヤケーイサン)を商標登録しており、同名のビデオや写真・定期刊行物などの配布について権利を有する。04年から丸々氏らによって、夜景観光の推進をスローガンとした活動が開始され、12年には一般社団法人として「夜景観光コンベンション・ビューロー」が設立された。同団体はこの活動の一環として、産経新聞社などとともに「夜景検定」を開催し、毎年数百名が受験。試験で一定の基準を満たすと「夜景観賞士」という民間資格が与えられる。
観光資源に乏しい地域の観光協会などは夜景のブランド化を歓迎しており、地域活性化に利用したいと考えている。同団体独自の基準による「世界新三大夜景」を決定するなど、観光事業者からは一定の警戒心を持たれてはいるが、官民交えた観光ブランド化の新しいビジネスモデルとして各方面の注目を集めているという。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本夜景遺産」の意味・わかりやすい解説

日本夜景遺産
にっぽんやけいいさん

夜の景色の美しさやほかに類をみない特徴、地域特有の歴史や文化的価値などといった特色をもつ夜景の観賞地、およびその価値を認定し、日本の景勝地として国内外に魅力を訴求するプロジェクト。日本夜景遺産には、(1)高台などから鑑賞する自然夜景遺産、(2)展望台などの高層施設から鑑賞する施設型夜景遺産、(3)人工的な照明で照らし出された夜景を観賞するライトアップ夜景遺産、(4)夜祭りや送り火といった伝統的な行事にかかわる歴史文化夜景遺産の4種類がある。2014年(平成26)9月の時点で、認定を受けた場所や行事191件が公表されている。

 日本夜景遺産は、2004年(平成16)に発足した非営利団体の日本夜景遺産事務局(東京都中央区勝どき)が、候補地として選んだ夜景や観賞場所の調査、分析などを行い、毎年10~20か所ほどを選定している。認定基準としては、夜景が普遍的価値をもち、安全でだれもが楽しめる夜景観賞地であること、芸術的価値や地域の独自性が表れていることなどが重視されている。

 なお、日本夜景遺産という名称は、事務局長の丸々もとお(1965― )が所属する有限会社マルタアドバタイジングの登録商標である。また、2008年からは夜景検定が行われており(2012年より一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが主催)、合格者は夜景鑑賞士(民間資格)と認定されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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