20世紀日本人名事典 「荻野 吟子」の解説
荻野 吟子
オギノ ギンコ
明治期の医師,婦人解放運動家 女医第1号。
- 生年
- 嘉永4年3月3日(1851年)
- 没年
- 大正2(1913)年6月23日
- 出生地
- 武蔵国幡羅郡俵瀬村(現・埼玉県大里郡妻沼町俵瀬)
- 学歴〔年〕
- 東京女子師範卒,好寿院(医学校)修了
- 経歴
- 17歳で上川上村(熊谷市)の地主と結婚、2年後婦人病がもとで離婚。男性医師の治療を受ける際の屈辱感から“女性のための女医”になることを決意。両宜塾で学び、23歳の時上京。明治18年34歳で医師開業試験に合格、わが国初の女医となる。東京・湯島で開業。23年40歳の時24歳のキリスト教伝道助手・志方之善と結婚、27年夫と共に北海道に渡り、瀬棚郡瀬棚村で開業、地域医療にとりくむ。夫の死後、41年東京に戻り江東新小梅町で開業した。基督教婦人矯風会風俗部長、明治女学校教師兼校医など歴任。婦人解放運動にも積極的に関わった。渡辺淳一の小説「花埋み」のモデルといわれる。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報