莕菜(読み)アサザ

デジタル大辞泉 「莕菜」の意味・読み・例文・類語

あさざ【莕菜/荇菜】

《古くは「あざさ」》ミツガシワ科水生多年草。葉は沼などの水面に浮かび、円形で、表面緑色裏面茶色がかった紫色。夏、水面より高く花茎を伸ばして黄色の花をつける。 夏》天竜寺―いっぱい咲きわたり/青畝

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「莕菜」の意味・読み・例文・類語

あさざ【&JISF8B6;菜・&JISEDF0;菜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「あざさ」 ) リンドウ科の多年草。本州四国、九州の池、沼などに生える。地下茎水底の沼の中をはい、細長い茎を伸ばして、直径一〇センチメートルほどの広楕円形で裏面が褐紫色の葉を水面に浮かべる。夏、葉腋(ようえき)から数本の花茎を出し、黄色い花を水面に開く。実は扁平な楕円形のさやとなる。若葉食用にする。はなじゅんさい。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「か黒き髪に 真木綿(まゆふ)持ち 阿邪左(アザサ)結ひ垂れ」(出典万葉集(8C後)一三・三二九五)
    2. [その他の文献]〔本草和名(918頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「莕菜」の解説

莕菜 (アサザ)

学名Nymphoides peltata
植物。ミツガシワ科の浮葉性多年草

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の莕菜の言及

【アサザ】より

…植物体には,ケルセチン‐3‐ルチノシド(ルチン),サポニン,タンニンなどが含まれ,苦味がある。漢方で莕菜(こうさい)と言い,解熱,利尿,消痰の内服薬として用いられる。若葉は食用とされる。…

※「莕菜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android