デジタル大辞泉 「落着き」の意味・読み・例文・類語 おち‐つき【落(ち)着き/落(ち)付き】 1 気持ちや態度が物事に動じないで、安定した状態にあること。また、そのような状態・態度。平静さ。「―がない子供」「―を取り戻す」2 動いていた物事が安定した状態になること。「相場の―を待つ」「世の中が―を失う」3 器物の座りぐあい。また、物事の調和のぐあい。「―の悪い置物」「下しもの句の―が悪い」4 旅館などに着いたとき、最初に飲食するもの。「―は御雑煮、餅もちは大方一人前」〈浄・傾城酒呑童子〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「落着き」の意味・読み・例文・類語 おち‐つき【落着・落付】 〘 名詞 〙① 移り動いていたものがとどまること。また、その場所。たどりつく所。行く先。[初出の実例]「下の句をのせぬほどにをちつきしれぬぞ」(出典:玉塵抄(1563)二九)② 正式の来訪者に最初に出す食事。婚礼のとき、嫁が婚家についてまず食べる軽い食事や吸い物。→落着雑煮(おちつきぞうに)。③ 宿屋、会場などに行き着いてまず飲食すること。また、その飲食物。転じて、茶を飲む時にそえる菓子類。茶うけ。[初出の実例]「東路やむまやむまやのおちつきに人もすすめぬ君がわりなき〈藤原光俊〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)二)④ 住居や職などがきまって生活が安定すること。[初出の実例]「まさかの時は見捨じとの詞をたのみに落着(オチツキ)慥と安堵して」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)鄙)⑤ 事件などが治まること。物事の解決。落着(らくちゃく)。「社会がおちつきをとりもどす」⑥ 心配、疑問などが消えて心が安まること。また、態度やことばなどがどっしりしていること。物事に動じないように見える様子。[初出の実例]「落着の見えて餌拾ふ小鳥哉〈鶯笠〉」(出典:俳諧・発句題叢(1820‐23)秋)⑦ 判断や議論などが最後にある点にゆきつくこと。[初出の実例]「容易にその説の落ち着きを見ないのであるが」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉一六)⑧ ゆれ動いたりしていたものがしずまること。特に、相場が激しく変動した後に安定すること。〔新時代用語辞典(1930)〕⑨ 物事のおさまりぐあい。物のすわりぐあい。安定。[初出の実例]「何処(どこ)か仮衣(かりぎ)をしたやうに、恰当(そぐ)はぬ所が有って、落着(オチツキ)が悪かったらう」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)⑩ 表現、色合いなど調和がとれて穏やかな様子。「おちつきのある色」 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例