蓄える(読み)タクワエル

デジタル大辞泉 「蓄える」の意味・読み・例文・類語

たくわ・える〔たくはへる〕【蓄える/貯える】

[動ア下一][文]たくは・ふ[ハ下二]
金銭品物などを、のちに役立てるために大切にためておく。「子供学資を―・える」「食糧を―・える」
知識・力などを、必要に応じて発揮できるように身につけておく。「実力を―・える」
髪やひげを生やしておく。「ひげを―・える」
自分のものとして手元に養っておく。
一人外妾めかけを―・えて居たが」〈荷風地獄の花〉
[類語]溜める集める貯蔵する蓄積する集積する蓄蔵する貯留する堆積する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蓄える」の意味・読み・例文・類語

たくわ・えるたくはへる【貯・蓄】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]たくは・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 後の用のためにとっておく。物品や金銭などを集めてしまっておく。また、比喩的に、知識や教養などを多く修める意にも用いる。
    1. [初出の実例]「是れ能く解脱の薬を盛り貯(タクハフル)器なり」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一)
    2. 「年来たくはふるところの書籍を披尋するに」(出典:正法眼蔵(1231‐53)谿声山色)
  3. 体力や気力などが衰えないように保っておく。
  4. 自分のものとして養っておく。
    1. [初出の実例]「妻子を蓄(タクハ)へ養ふ。〈真福寺本訓釈 蓄 タクハヘ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
  5. 髪やひげをはやす。
    1. [初出の実例]「何時の間にやら黒いものを蓄(タクハ)へてゐる」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉九)

貯えるの補助注記

室町時代頃からヤ行にも活用した。→たくわゆ(貯)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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