青森県八戸市にあるウミネコの繁殖地。営巣の様子を間近に観察できる国内唯一のスポットで、1922年に国の天然記念物指定を受けた。面積は約1・8ヘクタール。約4万羽のウミネコは毎年2月ごろに北方から飛来し、繁殖活動を始める。5月下旬にひながふ化し始め、7月には飛び立つ。島に生えるナタネなどの開花最盛期は、ウミネコの繁殖期と重なる。
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正保四年(一六四七)の南部領内総絵図に「帽子島」とあるのは蕪島のことと考えられる。弘前藩江戸日記の延宝三年(一六七五)条に「壬四月十六日昼九ツ津軽御領御厩之間を出船仕、同廿日七ツニ南部御領、八戸之かぶ島と申間へ着船」とあり、藩政期には当島の間は船掛りの適地とされ、廻船などの発着で賑った。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
青森県南東部,八戸市の鮫町の海岸から約100mはなれた小島で,現在は埋め立てられて陸つづきになっている。周囲約1km,高さ17mで輝緑凝灰岩からなる。島の名は蕪と呼ばれる野生のアブラナが群生していることにちなむ。島はウミネコの繁殖地として1922年天然記念物に指定された。ウミネコは早春のころに飛来し,この島で産卵し,雛を育てて夏の終りに南方へ飛び去る。その数は数万羽に達する。
執筆者:横山 弘
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