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薬膳料理 やくぜんりょうり

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大辞林 第三版の解説

やくぜんりょうり【薬膳料理】

素材に漢方薬としての効能のあるものを使う料理。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

薬膳料理
やくぜんりょうり

滋養のある食べ物に漢方の生薬を加味した、健康維持のための中国料理。漢方原料の宝庫である四川(しせん/スーチョワン)省がその故郷であるとされる。薬膳は生薬やそのほかの薬用価値の高い食物などを組み合わせて調理した伝統的な栄養食であるが、これらは単に中国料理に漢方薬を加えた料理というのではなく、一つ一つの素材のもつ薬効の調和のうえに成り立っている。また、薬膳はその目的によって二つの考え方に分けられる。健康維持や病気予防、体質改善を目的とした「食養・食療薬膳」と病気治療のための「疾病治療薬膳」であるが、日本ではとくに前者の効能を目的として薬膳が取り入れられている。この食事療法の理論体系は、漢方医学の基礎理論を基につくられており、健康はあらゆる要素の調和によるものであるというのが薬膳の考え方の基本である。
 食物は薬物と同様、「辛(しん)」(からい)、「甘(かん)」(あまい)、「酸(さん)」(すっぱい)、「苦(く)」(にがい)、「鹹(かん)」(しおからい)の五味に分類でき、この五味が「辛」は肺、「甘」は脾(ひ)、「酸」は肝、「苦」は心、「鹹」は腎というように人体の五臓に対応して、それぞれの臓器の機能を高める力をもつ。したがって、ある臓器に支障をきたしたときには、体のバランスを保つために、五味のうちその臓器に対応した性質をもつ食物を補う。しかし、一味にのみ偏った食事は適切な食事療法とはいえず、大切なのは五味を保ちながら味の強弱をつけることである。
 また食物や薬物はそれらの性質を表す四気という概念に基づいた分類もされる。四気とは、「寒」、「熱」、「涼」、「温」の四つで、「寒」は体を冷やす性質、「熱」は体をあたためる性質、それぞれの程度の軽いものを「涼」、「温」で表す。また、体に寒熱の影響を及ぼさないものを「平」として分類し、これを四気に加えて、五性とする。すべての食物、薬物は、五味かつ五性のいずれかに分類される。そして、薬膳料理は個々の症状や体質を考慮し、五味と五性を組み合わせ、食品および調理法を決めるものである。冷え性の人には熱、温の食品を、のぼせ症の人には涼、寒の食品をという具合である。一般的なメニューの構成は、体をあたためる料理と冷やす料理を交互に出すなど、バランスを重視する。薬の成分を引き出すために、じっくりと煮込んだスープ、粥(かゆ)、煮物、シロップ煮などが多い。[田中伶子]
『林彩美著『身近な食材でおいしい薬膳料理』(1989・家の光協会) ▽中山時子・陳舜臣著『新中国料理大全(3)広東料理』(1997・小学館)』

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