宗家(読み)ソウケ

デジタル大辞泉 「宗家」の意味・読み・例文・類語

そう‐け【宗家】

一門一族中心となる家柄。特に、芸道などで正統を伝えてきた家。また、その家の当主家元。そうか。「茶の湯宗家
[類語]本家家元総本家当主主家本家本元

そう‐か【宗家】

そうけ(宗家)」に同じ。
「―の隆替は只此一挙にある事ゆえ」〈染崎延房・近世紀聞〉

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精選版 日本国語大辞典 「宗家」の意味・読み・例文・類語

そう‐か【宗家】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一族・一門の中心となる家筋。総本家。本家。そうけ。
    1. [初出の実例]「名手庄三ケ条事、宗家御教書如此」(出典高野山文書‐宝治二年(1248)二月一〇日・高野山目代下知状)
    2. 「宗家(ソウカ)の隆替は只此一挙にある事ゆゑ」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉七)
    3. [その他の文献]〔漢書‐韋玄成伝〕
  3. そうけ(宗家)

そう‐け【宗家】

  1. 〘 名詞 〙
  2. そうか(宗家)
    1. [初出の実例]「十二歳なる紀伊宰相殿を執立て軈(やが)て宗家(ソウケ)の世嗣とし」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈条野有人〉初)
  3. 芸道で、その流祖の正統を伝えてきた家。家元。
    1. [初出の実例]「金剛、喜多の両宗家を始め」(出典:読売新聞‐明治三八年(1905)五月一九日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宗家」の意味・わかりやすい解説

宗家
そうけ

伝統的な芸能、とくに能、歌舞伎(かぶき)、邦楽、邦舞などの舞台芸能の世界において、ある流派のうちで、もっとも由緒正しく権威と格式をもっている家をさしていう称号、あるいは敬称。能の観世(かんぜ)宗家、歌舞伎の市川宗家のように用いられる。茶道、花道、香道などの生活芸能や、古い伝統を伝える職人芸の分野では、家元はあっても宗家の称はない。近世の、それも比較的新しい時代に、家元という称をもてなかった舞台芸能の分野で、それにあたるものとして生まれた用語と考えられるが、詳細は不明。現代では、伝統芸能界の複雑な人間関係を処理する便法の一つとして、家元と宗家を分けてもっている分野が目だつ。

服部幸雄

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「宗家」の解説

宗家
そうけ

共通先祖をもつ子孫たちによる血縁集団において,始祖からの直系の家系をさす。出自が家系の根幹をなすことや始祖以来代々直系の先祖を祭ることなどから,他の分家に対して地位的権威をもつ。同族集団や沖縄の門中(もんちゅう)集団における総本家,また茶道・華道や舞踊など伝統芸能の家元を宗家とよぶこともある。

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普及版 字通 「宗家」の読み・字形・画数・意味

【宗家】そうか

一族。

字通「宗」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の宗家の言及

【朝鮮】より

…門中は,墓祭を行うための資金を確保し,また高名な祖先の遺した文物があればそれを保存するために,共有の財産(位土と呼ばれる田畑,墓地を置く山林,集会を開くための祭閣など)をもち,有司や門長などの役員をおいて事務を処理する。門中の始祖から代々その後継ぎとなってきた家(長男の系統)を宗家(チョンガchongga),その当主を宗孫(チョンソンchongson)と呼ぶが,これは門中の象徴的中心である。
[本貫,族譜,門中]
 出自(同一の祖先の子孫であること)を示すのが姓と本貫である。…

※「宗家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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