藤簍冊子(読み)ツヅラブミ

デジタル大辞泉 「藤簍冊子」の意味・読み・例文・類語

つづらぶみ【藤簍冊子】

江戸後期の歌文集。6巻。上田秋成著。享和2年(1802)成立、文化2~3年(1805~06)刊。流麗な雅文体で記された紀行・文集と和歌からなる。

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精選版 日本国語大辞典 「藤簍冊子」の意味・読み・例文・類語

つづらぶみ【藤簍冊子】

  1. 歌文集。六巻六冊。上田秋成著。前三冊は享和二年(一八〇二自序。文化二年(一八〇五)刊。後三冊は文化三年(一八〇六)刊。和歌・紀行・文集からなる。歌は、万葉調古今調の中間的な作風才気にあふれ、紀行・文集では、流麗な雅文体によってその文才を示している。歌人秋成の面目をうかがうに足る作品集。

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改訂新版 世界大百科事典 「藤簍冊子」の意味・わかりやすい解説

藤簍冊子 (つづらぶみ)

江戸時代の歌文集。上田秋成著。1805年(文化2)3冊本刊,翌年に6冊本として出版。寛政(1789-1801)初年から享和(1801-04)にかけて秋成が書きとめて身辺つづらに入れておいた和歌や長歌紀行文,折々の随想などをまとめたもので,文人秋成の内面を伝える資料として貴重。〈月の前〉〈剣の舞〉などの歴史物語を収めるほか,付録として亡妻瑚璉尼の文章2編が添えられている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤簍冊子」の意味・わかりやすい解説

藤簍冊子
つづらぶみ

江戸時代後期の歌文集。上田秋成著。6巻6冊。文化3 (1806) ~4年刊。前半3巻のうち巻一,巻二は歌集で,秋成の歌集としては唯一のまとまったもの。巻三は紀行。後半3巻は擬古文集。巻末には付録として妻の瑚 璉尼の遺稿2編を収める。

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