(読み)グ

デジタル大辞泉 「虞」の意味・読み・例文・類語

ぐ【虞】[漢字項目]

常用漢字] [音]グ(呉)(漢) [訓]おそれ
心配する。おそれる。「虞犯/憂虞
おもんぱかる。「不虞
古代中国の伝説上の王朝名。「唐虞
[名のり]すけ・もち・やす

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精選版 日本国語大辞典 「虞」の意味・読み・例文・類語

ぐ【虞】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 うれい。おそれ。けねん。〔書経畢命
  2. [ 2 ] 中国の古代の王朝の名。堯(ぎょう)から天下をゆずりうけた舜(しゅん)帝位にあった時代

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普及版 字通 「虞」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

[字音]
[字訓] はかる・おそれる・たのしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(呉)(ご)。は祝の器((さい))を捧げて舞い祈る形。神を楽しませ、神意をやわらげることをいう。〔説文〕五上に「(すうぐ)なり。白虎、尾は身より長し。仁獸なり。自ら死せるのす」とあり、〔詩、召南、虞〕にその徳を歌うが、想像上の聖獣である。〔周礼、地官〕に山虞沢虞の職があり、山沢狩猟を掌る。〔国語、晋語四〕に「(周の文王)其の位にくにび、に詢(はか)る」とあって、軍事を諮問するをいう。字が虎頭の形に従うのは、劇・戲(戯)が軍戯から出た字であるように、も軍礼や狩猟と関係があるのであろう。その予備儀礼として、神を楽しませる祝の儀礼が行われた。

[訓義]
1. はかる、おもんぱかる、神意にはかる。
2. おそれる、神威をおそれる、はばかる、おどろく。
3. たのしむ、やすんずる、神意をやわらげる。
4. 欺に通じ、あざむく。に通じ、さからう。誤に通じ、あやまる。
5. 埋葬後の魂まつり。
6. 虞、仁獣。

[古辞書の訓]
名義抄 タスク・ハバカル・モハラ・カマビスシ・ハカリゴト・ハカル・ツブサカ・タノシビ・ソナフ 〔字鏡集〕 ハカリゴト・イマシム・タノシブ・モハラ・ツブサニ・カマビスシ・アヤマル・シル・アシ・ノゾム・ハバカル・タスク・ハカル・ヤスシ・ソナフ

[声系]
〔説文〕に声としてを収める。声。声の字と声義の通ずるものが多い。

[語系]
(娯)ngiuaは同声。巫女が祝告を捧げて舞う形。これによって神を娯しませる。軍礼・狩猟のとき、その祈りをなすことをという。

[熟語]
虞意虞淵・虞夏虞歓虞姫虞懼虞兮虞候虞衡・虞祭・虞師・虞主・虞虞庠・虞心・虞人・虞旌・虞泉・虞唐・虞殯・虞・虞門・虞楽・虞剌・虞吏・虞旅
[下接語]
嘉虞・外虞・艱虞・工虞・攻虞・山虞・獣虞・招虞・虞・唐虞・内虞・不虞・無虞・野虞・有虞・游虞・憂虞

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