蝦夷志(読み)エゾシ

デジタル大辞泉 「蝦夷志」の意味・読み・例文・類語

えぞし【蝦夷志】

江戸中期の地誌。1巻。新井白石著。享保5年(1720)自序日本初の本格的な北海道方面の地誌で、のちの蝦夷地研究の先駆をなした。

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精選版 日本国語大辞典 「蝦夷志」の意味・読み・例文・類語

えぞし【蝦夷志】

  1. 書名。新井白石の著で一巻。享保五年(一七二〇)の自序がある。蝦夷の地勢風俗歴史産物などを研究し、叙したもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蝦夷志」の意味・わかりやすい解説

蝦夷志
えぞし

新井白石(あらいはくせき)が著した日本初の北海道地誌で、享保(きょうほう)5年(1720)の自序をもつ。序、蝦夷地図説、本文という構成で、本文はさらに蝦夷(北海道)、北蝦夷樺太(からふと))、東北諸夷(千島列島)の3部からなっている。巻末には人物や武具などの図が綿密かつ色彩豊かに描かれており興味深い。なお、白石は前年にも『南島志』を著しており、蝦夷(北海道)、琉球(りゅうきゅう)(沖縄)を政論的な意味で日本の周辺地域として注目していたことがうかがえる。

[山崎節子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蝦夷志」の意味・わかりやすい解説

蝦夷志
えぞし

地誌。1巻。新井白石著。享保5 (1720) 年にまとめたもの。蝦夷における風土,産物を日本,中国史書によって詳細に記し,松前氏の蝦夷地経営の実情にまで触れている。沖縄について記した白石の『南島志』と対比するものであり,蝦夷に関する民族学的研究の先駆をなす。『新井白石全集』に収める。

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