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氏族制度 しぞくせいど clan system

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

氏族制度
しぞくせいど
clan system

うじぞくせいどともいう。氏族が社会の主要単位として,経済的,政治的,社会的な機能を有する仕組み。通常,古代国家成立以前の歴史上の氏族制度と,現在にいたるまで一部の小規模社会に保持されてきた氏族制度とがあり,しばしば後者によって前者を復元する試みがなされてきた。

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デジタル大辞泉の解説

しぞく‐せいど【氏族制度】

氏族を基本構成単位とする社会制度。各氏族は経済的、政治的、社会的機能を果たしており、成員は氏族への帰属によってさまざまな社会的権利や義務を受ける。

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世界大百科事典 第2版の解説

しぞくせいど【氏族制度】

ここに氏族制度というのは,家族よりも大きく,部族よりも小さい氏族とよばれる血縁的な集団が,多かれ少なかれ独立した経済的・社会的・政治的単位としての機能をいとなんでいる社会すなわち氏族社会の制度をさす。記録された歴史のはじまる古代国家形成のころには,すでに封鎖的・自給的な村落経済は交易経済に変わり,民主的な共同体は階級的な権力による支配のために再編成されつつあったことが,遺跡や文献の上からうかがわれるが,その以前の社会は一般にここにいう氏族を中心とする体制の上に立つものであったという推定が,多くの学者によってなされてきた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

氏族制度
しぞくせいど

氏族が社会の主要な構成単位として、経済的・政治的・社会的な機能を果たしている場合に、氏族制度という名称がしばしば用いられる。19世紀後半から20世紀にかけての進化主義者が、氏族制度について語っていたころの用語法では、氏族はリネージと区別されず、漠然と、家族より大きな単系の親族集団をさすものであった。たとえば、L・H・モルガンの所説では、氏族制度は人類進化の一段階として重要な地位を与えられている。彼は、氏族は、家族が発達する以前の人類史上もっとも早期に、家族にかわって普遍的に存在していた親族集団であり、当初の母系制から、しだいに父系制へと移行していったものである、と主張した。多方面に多大な影響を与えたこの学説は、今日では否定されており、氏族制度を人類史上の一段階とする見方も力を失っている。単系出自集団に関する用語法もまた、当時よりは、はるかに明確なものになってきている。
 アフリカ南部のサン(いわゆるブッシュマン)や、コンゴ森林に住みピグミーと総称されてきた狩猟採集民、シベリアの一部の部族のように、もともと氏族の制度をもたない社会も多い。西欧や日本も、氏族制度をもたない社会に属している。また、単系出自によらない親族集団が重要な社会もある。しかし人類学者が対象とする社会の大多数では、単系出自集団が社会の重要な構成単位となっている。ローウィは単系出自の形成において、財産に対する諸権利の伝達と結婚後の居住形式が重要な要因だと考えた。これはマードックの研究によっても確認されている。もっとも、中央アジアの遊牧民におけるように、生態学的な要因も軽視することはできない。
 氏族がとる具体的な形態は、さまざまである。オーストラリア先住民の間でみられるように、地域的な氏族が、外婚半族などの、より大きな単位に組織されている例もある。ニューギニア高地の一部の部族では地域的な氏族のいくつかが緩い同盟を組んでおり、この同盟の内部では戦争が行われない。氏族の内部には、数世代の系譜深度をもち成員相互の系譜がはっきりたどれる小出自集団、リネージがみられるのが通常であるが、このリネージを何段階にも高度に組織化した氏族もある。アフリカのヌエルの人々の社会では、一つの氏族の系譜深度の異なるリネージが特定の領土区分に結び付いている()。同一レベルのリネージ同士は互いに対立し、共通の敵に対しては連合して、一段階上のリネージを出現させる。たとえば相対立するa1とa2は、共通の敵Bに対しては、兄弟リネージとして連合し、リネージAとして行動する。AとBは、Jとの紛争においては連合し、より上の単位Iとして行動する。このような系譜的距離に基づく補完的対立のシステムは、分節リネージ体系とよばれる。同様なシステムは中央アジアの遊牧民の間にもみられる。
 多くの氏族制度のもとでは、氏族成員同士、同じレベルのリネージ同士は互いに対等であるが、氏族の構成員やリネージが、氏族創始者に対する系譜的近接関係に応じて序列づけられている場合もある。円錐(えんすい)クランと名づけられた、ポリネシアの首長制社会にみられる集団がその代表例である。もっともここでは、かならずしも系譜上父方、母方を区別しておらず、外婚規制も伴わないため、これを単系出自集団とみることは疑問である。しかし、一般的にいって、首長職などの特別な政治的役職や経済的利権が絡む場合、系譜上の年長性に従って、氏族を構成するリネージの間に序列が生じる傾向があるようである。
 広い地域に分散し他の氏族と混住し、けっして集合体としては行動しない分散氏族も広くみられる氏族形態である。このような分散氏族においては、内部にリネージの複雑な組織化もみられないのが普通である。アフリカ、ザンビアの民族集団トンガのように、氏族成員の一部が一定地域に多少まとまって住み、全体氏族の地方分枝を形づくっていることもあるが、こういった地域集団も、リネージとは異なり、かならずしも系譜関係に基づいた内部構造をもっているとは限らない。このように、氏族がとる具体的な形態はさまざまであり、それに伴い、政治的・社会的機能も社会ごとにけっして一様ではない。
 氏族制度は、国家なき社会においてもっとも重要な政治的機能を果たしている。人は特定の氏族に所属することを通じて、さまざまな社会的権利・義務を受け取る。氏族の成員には他の成員の死に対し復讐(ふくしゅう)の義務があり、危急時においては助け合う。氏族の一成員が犯した罪に対する責任は、その氏族の他の成員に無差別に負わされる。もちろん氏族制度は国家なき社会だけの現象ではなく、首長制社会や王国においても、地域レベルでは重要な役割を保持している例もある。[濱本 満]

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